トニー野中
企業経営者、成幸研究家
1962年生まれ。石川島播磨重工(現IHI)にて、ジェットエンジンの設計開発に携わった後、5カ国共同開発エンジンの国家プロジェクト・メンバーとして英ロールス・ロイスに駐在。その後、米国のゴルフ用品メーカーにて、タイガーウッズはじめ多くの世界トッププロのクラブ開発で実績を上げ、ロスチャイルドをはじめとする、多数の大富豪やセレブリティーと懇意になる。現在、IT企業や投資会社など5社を経営する傍ら、たんなる「成功」が目的ではなく、「お金・時間・健康・人脈」の全てを満たされることを人生の目的とする成幸研究家として世界の大富豪たちの習慣や考え方を体系化している。
著書の「世界の大富豪2000人に学ぶ」シリーズは10冊、累計100万部を突破(電子書籍を含む)

野中:そこは大事ですよね。私が経営している企業の1つにIT関連企業がありますが、Webサイトの制作業務などを請け負っていて、ほとんどのクライアントは一部上場企業又は世界的なブランド企業です。その会社の仕事の進め方が変わっています。例えば新しい仕事を受注したとします。普通は受注した企業の業種に合わせて、それを得意な人に仕事を任せたりするじゃないですか。スポーツメーカーのWebサイトなら、スポーツが好きな人間に担当させる。専門用語とか出てきたりするので、そのほうが効率がいい。

 でも、私の会社では進め方がちょっと違うんです。まず、最初にメンバーに聞くのです。「何が好きか」と。例えば、ウエディング関係のことが好きだとなれば、じゃあウエディング関係のサイトを構築しよう、となって、ウエディング関係の会社を集中的に営業しにいく。だから、ある仕事に合わせて人を当てがうのではなくて、人があって、その人の好きな仕事を取りに行く。そのような形で進めています。

あまり興味がない分野で仕事をしても、いいものを提供できないということですね。

野中:やっぱり好きな人にはかなわないでしょう。好きな人からは自然と知恵が出てきますから。

華僑は仕事をえり好みしない

大城さんは、好きな仕事に関して、どのようにお考えですか。

大城:中国が、多くの国と違うのは、内戦が当たり前だったということ。その結果、人を信用しないということが前提にあります。だからものごとを進めるにしても、制約があるのが当たり前で、逆に制約がないことには慣れていない。

 嫌いな仕事にはいろいろ制約があるのだと思いますが、そこは当たり前。要は好き嫌いでは仕事を選ばない。ここが、欧米の成功者とちょっと違うところではないでしょうか。

 かと言って、嫌な仕事をするにも、日本人みたいな悲壮感はないですね。なぜかと考えると、日本人と違うのは、いずれ自分がトップになるという教育を全員が受けている。農村の子でもトップに立てという教育を受けています。会社の先輩、同僚から何かを盗んでやれと思っているので、そこは嫌な仕事をしていてもストレスのかかり方が違うのだと思います。

華僑の場合は、成功するうえで好きな仕事にはこだわらないということですね。

大城:そうですね。先ほども言いましたが、制約があるのが当たり前。どちらかというと、制約があるから楽しめるといった考えですね。私の華僑のボスがよく言っていたのが、サッカーをするのに手で触われたらおもしろいか? サッカーは手で触われないという制約があるからおもしろいんだ。ビジネスも同じだと。制約があるからおもしろい。

 仕事の締め切りだってそう。3日しかないと言われれば、厳しいかもしれない。でも、締め切りまで3年あると言われたらあまり考えない。制限があるからアイデアも考えるし、仕事が楽しくなる。同じように嫌な上司がいるから楽しい。働かない部下がいるから楽しい。そう華僑は考えるのです。

 日本人は仕事で完成系を求めるじゃないですか。一方で、中国人はメンツなんですね。だから、人間性で完成系を目指すんです。仕事で自分を磨いていくという感覚があるんです。

今のお話の中で、上司や部下の話が出てきました。もちろんソリが合わない人間も会社にはいると思います。それを制約と考えて楽しむという手もあるかと思いますが、それ以外に、うまくやる方法はあるでしょうか?