中野:でも、僕はうちの店の現状に満足していません。お客様の満足度をさらに高めるため、サービスの質をもっともっと上げていきたい。その意味では、まだ課題や反省点が多いと思っています。

例えばどんなことですか。

中野:新店舗のオープン前なら、現場の従業員の研修にもある程度じっくり取り組めます。でもいったん開業した後は、次々に採用しては現場に入ってもらわなければならず、それほど時間がかけられません。特に冬場の繁忙期は、ちょっと研修不足で現場に出してしまっているきらいがあります。

 そうなると、いつも笑顔で元気に接客したり、お客様の立場で考えるというサービスの基本がおろそかになってしまいます。毎日お店を回していくだけでも猫の手も借りたいなか、笑顔の出ない従業員にどうやって笑顔を出してもらうか。心からの笑顔を出すには、従業員の満足度を高める必要があります。どうすればいいのか。賃金体系や福利厚生はどうあるべきか。社員の意見を聞きながら日々自問しています。

やはり「タオルは取り放題」で

サービス改善にはコストもかかりますね。

中野:もちろんコストもしっかり考えるのは当然です。とはいえ、コスト優先でお客様の満足度が下がってしまったら元も子もありません。

 例えばお店の廊下にゴミが落ちていると、日本ならお客様が拾ってくれたりします。でも中国のお客様はほとんど素通りです。だから日本以上に掃除をしっかりやらなければならない。そのためのコストは譲れません。

1号店の店内。素足で、好きな浴衣で、思い思いくつろぐ中国人客

 また、極楽湯ではタオルは何枚でも取り放題、浴衣のチェンジも自由にしています。コストを考えて一人一枚に制限することも検討しましたが、お客様の立場で考え直してやめました。コストダウンも大切ですが、やはり満足度を上げていくことがお客様のリピートにつながります。それは中国でも日本でも同じなんです。

(次回に続く)