足腰を鍛えるという言葉の意味は何でしょうか。

松﨑:筋肉質の会社にするという言葉は良く聞きますね。それは無駄をとって、前向きな表現をすると構造改革ですね。
 足腰のしっかりしたというのは、別の言葉でいうと堅牢性です。まさに外部環境が振れても会社が大きく振れない。そのために仕事の質を高めていこうということです。

堅牢性を高める、仕事の質を高めるとは具体的にどういうことでしょうか。

松﨑:私が社長時代に最も力を入れたのが、事業の中身を変えていくということです。事業環境は変わっていますので、そういう中で自分たちの強みを生かして事業を続けていくために、積極的に事業を変えていく。

 それを変えていくためには施策が必要になる。良い複写機の新製品を売ればいいだけの営業から、売れれば保守、サービスと消耗品のリターンがあるビジネスへと、付加価値を提供するビジネスに変える。
 商品もオフィスの複合機だけでなく、商業印刷、産業印刷に広げようとすると営業も新しい能力が必要になり、生産も作るものが変わる。ソフトウエアの開発能力を高めなければならない。
 その方向を変えるためにそれぞれの部署が取り組まないといけないことが増えてきます。

 会社の業績に責任を持つのと同時に、やると言ったことがどこまで出来ているかをチェックすることに一番こだわっていました。取締役会議長となった今も一番チェックしたいところです。

■コニカミノルタの営業利益
注:2013年3月期までは日本基準、それ以降は国際会計基準で計上
リーマンショック後も営業利益は比較的安定している

方針管理の手法を徹底した

どういった物差しでチェックするのですか。

松﨑:方針管理の手法を使っています。私は大きな方針を出して、それを受けて各部署が今年やることを決める。行動とどこまでできたかが分かるようなメトリックを作ります。

 販売だったら具体的にサービスやソリューションの売り上げをいくらにするという数字の目標を掲げる。生産部門だったらコストダウンの目標を掲げる。
 コーポレートだったらそういう定量的な目標がないとしても、どういうことができるようになるといった目標を掲げます。で、それらを回していきます。
 四半期の決算がありますが、中ではそれぞれの掲げた目標がどこまでできたのかというレビューをしています。

これは松崎さんが社長になってから始めたのですか。

松﨑:前から仕組みがありました。私の時にかなり意識して使いました。一番大元は持続的な成長。だから事業の転換が必要なんだと。新しい事業を作っていくんだというのを掲げて、それが実現できる施策を進めています。
 上の方針に施策がつながっているか。その施策に事業の数字がつながっているか。これらのつながりを私はかなり意識していました。

長期の目標もありながら、毎年の細かい進捗をチェックできるようにしていたのですね。

松﨑:それは環境やCSRでもそうです。CSRであれば、それぞれのステークホルダーに対して何を重視するかを決めて、今年の1年は何をするかを決めて、それをチェックする。