ジーンが考える21世紀のビジネスモデル(働き方、組織形態も含めて)とはどのようなものか?

ジーン:市場を世界に求めることだと思う。例えば、商標ひとつとっても、日本国内だけで取ってもダメで、世界を意識して取るべきだ。私は、中国においても商標を取ったことがある。アメリカも不思議な国で、商標という概念とビジネスを創った国なのに、アメリカの国旗や自由の女神、ラスベガスなどアメリカ特有のものを誰も商標登録していない。恐らく、当時の人たちは「Think Big」を忘れて、グローバルビジネスを最初から考えていなかったからだと思う。国だって、ビジネスだしブランドだ。日本も、国を司る人たちが日の丸を商標登録できるようにして、ライセンス供与すればいいのに、と思うよ。借金が減るはずだよ(笑)。

 これからのビジネスは、最初からグローバルを意識して市場を捉えていくべきだろう。

常に次を考える。終わりはない

社会貢献活動に対するスタンスは? フィランソロピーを支持し、チャリティーを支持しない理由は?

ジーン:起業家は、ある程度の成功を収めたら、社会に還元すべきだと思う。ただ、還元の仕方として私が力を入れているのは、チャリティーとして寄付するだけでなく、基金として仕事や教育、再起する機会を与えられるものに対してだ。本当の社会貢献というのは、困っている人に手を差し伸べ、彼らの自立を促し尊厳を取り戻すことにあると思っている。

ジーンは大きな成功を収めてきましたが、まだ手に入れたいと思っていて、手に入れていないものはありますか?

ジーン:ありすぎて、どこから話し始めていいのかわからないよ。毎朝目が覚めて、常にこう考える。次なる目標は何か? また、自分よりも秀でている人、何かを成し遂げた人を見ると羨ましくてたまらなくなる。自分にもまだ出来ることは何だろう、と考えるきっかけになってくれる。これには、終わりがないよ。

尊敬している起業家、政治家、その理由は?

ジーン:尊敬している起業家は数え切れないほどいるけど、歴史上の人物に学ぶことが多い。私は中国の歴史が好きでね。中国の戦国武将たちの教えは、そのままビジネスに使える。

 Lose the battle but win the war. 戦争に勝つためには戦いに負けるべき時もある。目の前の戦いばかりにこだわるのでなく、大局を考えて引くべきときは引くという意味だ。戦国時代を生き抜くセンスとビジネスで成功するセンスは似ている。

(了)

ロック界のレジェンドが、手ほどきする本格ビジネス書
KISSジーン・シモンズのミー・インク~ビジネスでドデカく稼ぐための13の教え
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(ジーン・シモンズ著、大熊希美/滑川海彦訳、日経BP社、1800円+税)
 KISSのジーン・シモンズは、バンドの象徴であるフェイスペイントやロゴをいち早く商標登録し、ビジネス化していった先駆者だ。現在では、コミック、棺、アクションフィギュア、テレビゲームなど5000アイテム以上のライセンス商品が世界中で販売されている。さらに、プロのスポーツチーム、レストラン・チェーン、金融ベンチャー、レコードレーベルなどのビジネスにも乗り出している。イスラエルの極貧の家に生まれ、幼少期、英語をまったく話せない状態で渡米。徒手空拳から成り上がったジーン・シモンズは、生き方、音楽、ビジネス、すべてに関して貪欲だった。だが、単にアグレッシブなだけではなく、将来を見通す冷静さと事業マインドも持ち合わせていた。本書でジーン・シモンズは、野心ある起業家に成功のために必要なツール、そして自分というブランド資産を軸としたビジネスを構築する方法について余すところなく手ほどきする。