すべての卵を同じ袋に入れるな
著者『ミー・インク』の中では、「好きな道を進みたいがそこにすべてを賭けるつもりはない。リスク分散せよ」と説いている。起業家にとってのリスク分散の重要性について教えてください。
ジーン:好きな道に進むためにも、リスクを分散する必要がある。どんな仕事においても、人生においても、だ。私のモットーは、『すべての卵を同じ袋に入れるな』。人は必ず失敗する。そこからすぐに立ち直るためにも、リスク分散は重要だ。
『ミー・インク』では失敗の重要性が強調されています。これまでの失敗の経験のなかで、のちに最も役に立ったことはどんなことですか? また、最近の失敗エピソードは?
ジーン:私は、今まで大きな失敗はしていないと思っている。なぜなら、母の教えの通り、生きている限りは最大の負けというものはないから。同時に、日々、失敗の連続だ。もっと言えば、毎日失敗している。一つの成功の裏には、死ぬほどの失敗の屍があるよ。失敗は成功の宝庫だ。私の本でも書いている。それを端的に表すのが、バスケットボール界のスーパースター、マイケル・ジョーダンのこの言葉だ。
「私はキャリアを通して9000回以上のシュートを外した。300試合に敗けた。26回、決まれば試合に勝てる最後のシュートを仲間に託されたが、外してしまった。何度も何度も失敗した。だから成功することができたんだ」
誰でもいつか必ず失敗する。しかし、失敗を重ねるごとに、その分だけ、必ず強くなることができる。
ビジネスマンや起業家は、失敗にどう向き合えばよいのでしょうか?
ジーン:失敗して死なないかぎりは、失敗は人を強くしてくれるのみ。起業家を目指すのであれば、まずは失敗を恐れないことだ。なぜなら、驚くほどの失敗が待ち受けているだろうから。事業に成功した人のほとんどは、成功よりも失敗の方が圧倒的に多い。でも、その一つの成功が失敗をすべてチャラにしてもくれる。だから失敗の事実だけに目を向けるのでなく、そこからの対策に注力したほうがいい。
バンド結成以来、40年の歴史の中で解散の危機が何度もあったと思いますが、それを乗り切る秘訣があったら教えてください。
ジーン:いいパートナーを選ぶことだよ。KISSは、私とポールで始めて、42年間もの間ずっとパートナーとして力を合わせてきた。私は一人っ子だが、彼は兄弟のようなものだよ。長い間一緒に活動していると、それは色々あるさ。でも、根本的にリスペクトがあれば、乗り越えていける。
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