リチャード・ニクソン氏。写真は第37代米国大統領就任7年前、1962年のもの(TopFoto/アフロ)

 ドナルド・トランプ氏が米大統領選挙で当選しました。長門さんにも、当選前、当選後にそれぞれお話を伺いましたが(「“トランプの家”でも米の政治スタッフが支える)」「金融関係者には『冬の時代』が続く」)、次期米大統領がどんな政治家になるのか、占えるような本はないものでしょうか。

長門:これはまた、大変な無茶振りですね(笑)。前にお話ししたときに「『ビジネスパーソンとしてのトランプ』への期待が効いたように見える」と申し上げましたよね。

トランプ』ワシントン・ポスト取材班、マイケル・クラニッシュ、 マーク・フィッシャーほか著、 文藝春秋

 「政治のプロ」への失望感と裏腹、と仰っていました。彼の事業家としての能力に疑問符を付ける人も多いようです。中でも辛辣だったのが前回もちょっと触れた『トランプ』(ワシントン・ポスト取材班著、文藝春秋)でした。

長門:それでも、「とにかくこの激動期を生き抜いてきた経営者じゃないか」というところは、誰もが認めざるを得ない。だから、政治の世界の常識にとらわれず、なにか新しいことをしてくれるんじゃないか、という期待を持たせる。それに「政治家のことはわからないが、会社経営者ならまだ我々にも理解できる」という気持ちも、米国民の中にはあったと思うんです。

「数字で実績」はアテになるか?

 なるほど。どちらもリーダーという意味では共通だし、数字で実績を残してきた人なら信用できそうだ、と。

長門:日本でも会社経営者から政治家に転身する人は少なくないですね。

 しかし、大統領に求められるものと、経営者に求められるものは本当に共通しているんでしょうか。

長門:ああ、それは確か、ニクソンがうまいことを言っているんですよ。

 ニクソン。ええと(スマホをいじって)、第37代米国大統領のリチャード・ニクソンですね。トランプ氏が就任すると第45代だから、8代前になるのか。1994年に亡くなっています。

長門:たしかいまその本が社長室に置いてあるので、取ってきますからすこし待って頂けますか。