日本企業は2年先を見据えた戦略を

インバウンド、越境EC、ソーシャルバイヤーと日本側から見ると様々な販売チャンネルがあると思いますが、もっと中国の方々に自社製品を買ってもらうために日本企業は何をすべきでしょうか。

菊池:まず、インバウンドで評価され、その結果、越境ECサイトやソーシャルバイヤーに興味をもってもらい、自社製品を仕入れてもらう。さらに知名度が上ったら、「天猫国際」に旗艦店を出店するというのが低リスクで理想的です。

 中国人から青汁を爆買いされている山本漢方がその典型例といえるでしょう。ただし、越境ECのピークは2年後くらいに訪れ、売り上げは減りはしないでしょうが、急成長は止まると思っています。

 現在、中国人に日本製の商品がよく売れているのは、中国人が海外製の商品の品質を過剰に信頼しているためです。なかには国産の商品は全く信頼せず、海外製品ばかり使いたがる人もいるほどです。しかし、こうした極端な風潮はあと2年もすれば収まると思っています。

 実際、「海外製品には品質の高いものが多いかもしれないが、中国にもそれに負けない品質の製品はある。中国製品だから品質が悪いと決めつけるのはおかしい」という冷静な意見が中国国内のマスコミや消費者の間にも目立ち始めました。

 また、現在の中国では化粧品や健康食品の販売許可の取得にかなりの時間を要し、日本企業が現地に拠点を作って販売しにくいという側面もあるのですが、今後は規制緩和も予想されます。日本で売るのではなく、直接、中国で販売しやすくなるとも考えています。その結果、インバウンドや越境ECの重要性も相対的に低下するのではないでしょうか。

 ただし、中国で日本の製品が売れるかどうかは、中国人の間での認知度次第という側面があります。そして、中国人に知ってもらうにはまず、インバウンドや越境ECで知ってもらうことが重要です。そうした視点から、長期的な自社製品のプロモーションをすべきではないかと思います。