全国のコンビニは半分なくなる

小売業界の動向も大きく変わってきています。ネット通販が拡大しているほか、コンビニエンスストアの存在感も大きいですね。セブン-イレブン・ジャパンに代表される、コンビニ発のヒット商品と呼ばれるモノも増えてきています。

高田:セブン-イレブンさんも何でも手がけるようにはなってきていますが、僕は重要なのはモノを売るということより、その体験だと捉えているんですよ。歩きながら喉が渇いたら飲み物を買える、お腹が空けばパンを買えるという利便性であり、手軽さですよね。ただ、僕自身は、将来的にはコンビニの状況は大きく変わると思う。極端に言うと、全国にあるコンビニの半分はなくなるのではないかとみています。

それは大胆な予測ですね。

高田:なくなるという表現は正確ではないかな。表現はさておき、いわゆる「倉庫」になるのではないかと思います。つまり、ネット通販市場が急速に拡大すれば、小さな商圏ごとにコンビニの半分が「倉庫」に姿を変え、そこから商品を即座に消費者の自宅に届けるようになる。これも高齢化に関連して、自宅にいながらより簡単に商品を買いたいという欲求が強まれば、今のコンビニの半分くらいは、その役割を変えるのではないかなということです。

 先日の報道でもありましたが、アマゾンジャパンは小型端末のボタンを押せば登録してあるミネラル水や日用品をすぐに届けてくれるサービス(アマゾンダッシュボタン)を始めましたよね。冷蔵庫にポンと端末をくっつけておいて、気が付いたときに押せばすぐに商品が届く。利便性という観点では、アマゾンなどは最もそうした部分を追求していますし、今後さらに進化していくでしょう。

 だから、日常的に使う食品や日用品といったもの、特別な説明が必要でないものは、もうボタン一つで注文して、1時間以内に近くの「倉庫」から届けてくれる。それはヒット商品とは呼べないかもしれませんが、そうしたビジネスモデルが確立すればとても面白いとは思います。

ただ、スマホはアップル、ネット通販はアマゾンという具合に、先頭を走っているのはやはり米国をはじめとする海外勢です。日本企業の経営者にも、ぜひ新しいカテゴリーやビジネスモデルの確立というところで頑張ってほしいものですが。

高田:日本の企業が過去に世界を席巻して、次々にヒット商品を生み出してきた。しかし、現在では米国発の企業がどんどん先行し、今度は中国が日本10倍の人口の知恵を集めて、製品を作り込んでくる。そうした状況の中で負けないようにするためには、繰り返しになりますが、とにかく発想の転換が必要です。これはメーカーでも小売りでも、経営者が特にこれから求められる能力になると感じています。