「少子高齢化」関連のヒット商品が続々生まれる

そうした前提を押さえた上で、2017年、それ以降のヒット商品を占うとすれば、キーワードはどのようなものになるのでしょうか。

高田:少子高齢化ですね。世界で唯一、日本は急速に少子高齢化が進んでいますが、これと同様の動きは今後お隣の韓国や中国にも広がっていく。その先例として、日本が少子高齢化にどのように対応するか、またその中でどのような消費が生まれてくるかということは非常に重要なことだと思います。

 少子高齢化が進む中でのヒット商品というのは、例えば体が不自由になる高齢者をサポートする商品というのもあるでしょう。でも、もっと前向きに捉えて、健康に生きる、幸せに生きるための商品を求めるという欲求がより強まると思います。モノだけでなく、食事や旅行など幅広い分野で当てはまります。

 一方で、少子化という観点からは、子供が少なくなれば一人当たりにかける教育の重要性が高まり、例えば感性を磨くためのツールなどがさらに注目されたりもする。そうした商品が今後10年間は強く求められるし、毎年増え続けていくでしょう。

衣食住の幅広い分野に影響は広がると。具体的にはどのような動きがありそうでしょうか。

高田:例えば食品では、積極的に旅行に行く高齢者が旅先で美味しい食事を楽しむということもあるでしょうし、日々の健康を維持するための商品も増えますよね。テレビ通販でも、大手食品メーカーの野菜ジュースなどが頻繁に登場していたり、「酵素をもっと摂りましょう」とアピールしたりしています。それはこの2~3年ですでに顕著に表れてきています。

 住宅でもそう。家を建てるとしても、単なるバリアフリーというのは一昔前の話で、より高齢者が生活しやすい住空間とはどういうものかを、各工務店が真剣に考えて取り組んでいるというんですね。自動車でも、高齢者の方が事故を起こしてしまうケースが目立ちますが、例えば60歳以上の方の運転の特徴に合わせて、とても安全だという自動車が登場すれば大きな注目を集めるでしょう。

メーカーとしては、環境の変化、社会の変化を見越していち早く手を打つことが必要になってくるということですね。

高田:それは非常に重要です。時代の変化、人口構成の変化、もっと言えば地球環境の変化を先読みして、どういう商品を開発していくかを考えなくてはなりません。一方で我々販売店の側も、10年先は難しいとしても、1年先、2年先、3年先のターゲットを絞って、どのように取り上げていくかというセンスを問われることになりますよね。

販売店という言葉が出ましたが、売り手側の戦略もヒット商品が生まれる上では重要ですよね。

高田:デジタル機器の大きなカテゴリーにタブレット(多機能携帯端末)がありますが、僕はこれをどうやってシニアに提案するべきかをずっと考えていたんですよ。例えば旅行が好きな70歳の奥様がいて、タブレットを旅行に持って行ったらどのような楽しみ方ができるか。美味しい飲食店や珍しい名産品を検索する、観光先でその土地の歴史を勉強する、色々なことができる。僕がそれを分かりやすく、楽しく伝えることで、その方にとってタブレットを持つことが10倍楽しくなると思うんです。

 ヒット商品はまず作り手であるメーカーが生み出す商品がある。そして、それを売る販売者がいなければ広がりません。それでは、売り手がどのような形で世の中に表現していくかですよね。モノ自体と、それを伝えること、作り手と売り手の両輪の中でヒットは生み出されていくと考えています。

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