――ビジネスパーソンとしてはわかるのですが、それでも個人としてはすんなり首肯しがたいです。そこまでのエリートチームはいらないから、もっとカジュアルな金額で済むようなコースはないんでしょうか。

:ひとつは定額化です。量販店さんなどで、4パターンで明示して「これ以上はかかりません」とやっています。

 もうひとつは保険ですね。個人の方向けには、たとえばHDDメーカーのウェスタン・デジタルさんと組んで、3年間故障保証を提供しています。(こちら)。

――ああ、一般人に納得のいくお値段と保証はこういう「提携先と薄く広く」の形でしょうね。

:やはり、料金を理解して頂くのが難しくて、約半分のお客様を「逃がして」いるわけですから、ここは企業努力が必要だと思いますし、「ぼったくり」と思われない対応を業界全体で心がけていくべきだと思います。

――なるほど。

菅野:それにしてもYさん、RAIDでよくここまで値切りましたね。30万円ならともかく、これなら「ぼられた」とは言えないと思いますよ。

嫌な目に遭いたくなければ、早めの対策を

 どうやら、自分は「ぼられた」というわけではないらしい。

 といっても、修理代金に驚愕し、脂汗を流しながら値切ったのは、決して愉快な思い出ではない。

 前編(こちら)冒頭での、私の体験はやや極端なものだったのかもしれない。とはいえ、こういうタイプの“接客”をする冒頭のA社のような業者さんはまだまだ実在するらしい。

 データが人質に取られているような錯覚と、とにかく交渉自体が煩わしくてさっさと終わらせたくなる、という焦りが、つけこまれるポイントだ。もし、そう感じたら、冷静に「席を立って次の業者を探す」といきたいところだが、正直、なかなか難しいと思う。

 だから、家族写真だけでもいい。何らかの保険(予備HDDでも、なんでも)を今のうちに取っておくことを強く強くお勧めしたい。わたしみたいな気分を味わう人を少しでも減らしたい。これを読んだのもなにかのご縁ですよ。さあ、手を打ちましょう。そして願わくば我が妻がこの記事を目にしないことを。

■変更履歴
本記事の1ページ末尾に、プラッターを回転させてヘッドを引き抜く描写があります。記事掲載当初は、「回転によって風を起こしてヘッドを浮上させる」という説明がありましたが、実際には、ヘッドがプラッター上に停まっているタイプ(シッピングゾーン方式)の場合に、ヘッドスライダーの支持部のサスペンションを傷めない方向で引き抜くことが重要で、そのためにプラッターを特定の方向に回転させたことが分かりました。これを反映して本文を修正し、写真を削除しました。お詫び申し上げます。ご指摘を下さった匿名希望の方に御礼申し上げます。ありがとうございました。 [2016/11/14 19:00]