:後でご覧頂きますが、物理障害の復旧はかなり職人技ですよ。論理障害も、もちろんどんどん自動で復旧できるように進めていますが、自動システムでは救えなかったデータを、技術者が推論を働かせて復旧することはざらにあります。

――「自動処理だけやってみて、うまくいかなかったら諦める」みたいな、お安いコースは作れないものでしょうか?

:処理の自動化は可能かも知れませんが、作業を始める前にある程度、人間が推理推論を働かせることは必須ですね。例えば今回お預かりしたYさんのHDDもそうですが、RAIDをお使いの場合は方式がいろいろありますから、「このHDDはRAID0(ゼロ)だろうか、RAID1だろうか、RAID5だろうか」というのをデータから読み取るところから始めねばなりません。

――え、そんなのユーザーが教えるでしょう。

:それが間違っていることもありますから。

――あ、そうか。

ユーザーの言うことも“信じ切らない”姿勢が必要

:実際に自分が駆け出しの頃、「これ、RAID1だから」と言われて復旧したらデータが足りなくて、実はRAID0だった、という経験があります。もちろんユーザーさんの情報は大いに参考にしますけれど、ゼロベースで調べるのが基本です。だから、どうしても人と時間がかかります。それが、料金に跳ね返って「高い」と思われてしまう。

――うーん、でもまだ納得がいきません。例えば、この事業で一番コストがかかるのはどこですか。

:意外にかかるというところでは、物理障害対策のためにストックしておく「ドナー」のHDDですね。故障したHDDの、動かない部品を交換するスペアパーツにするのです。当社ですと、いま数千台のストックがあります。その入手や保管に少なからぬ費用がかかっています。

――古いHDDのストックにですか。大げさな気がしますが。

:実際に見てみますか。

(すみません!長くなったので後編に続きます)

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