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清水:うん。でもこれ、牛や豚を否定するわけやないよ。自分も肉、大好きやしね(笑)。ただ、エネルギー効率、使用する水の効率などから考えて、これからは大豆からタンパク質を採る、という原点回帰を始めねばいかん……と、ずっとそう信じてきたのやけど、今までは、非常に空虚に響いていたのね。3年前やったっけ、Yさんと最初に会ったときも、まだ空虚やった。

いや、思い出しました。たしかに3年前にも「これからは大豆や」というお話は伺いましたが、そのときは「すごく面白い。だけど、これ、どうやって記事にしよう」と。世の中が面白がるとは考えにくかったんです。

清水:それが最近、この手の話が本当に世の中の真ん中来ているぞ、と言うているわけ。「日経ビジネス」も特集しはったでしょう、うちに取材は来なかったけど(笑)。

肉食から植物のタンパク質シフト……人工肉か! (「第4次「食」革命「植物肉」は“ほぼ”肉の味だった」)。ようやくつながってきました。清水さんは何年くらい前からこういうことを考えていたのですか。

ざっと25年間考えています

清水:これはずーっと時間をかけてまとめているんですよね。ざっと25年くらいかな。「日本ベジタリアン協会」(1993年設立)というのができまして、僕はその設立メンバーなんです。

ちなみに、協会の設立とかは、最初からビジネス上の計算もあって始められるものですか。

清水:設立したときに、どういう動機でいうたら、確かにうちの商品の大豆たん白を売りたいからというのもあったんだけど、そんなことだけやったら、他にお金の使い方はいろいろありますわね。動機は割と単純で、だって、これだけ人間が増えていったら、肉食では環境が絶対持たない。そんなことは25年どころか、もっとずっと前から分かっていたことです。正確な時期はともかく、絶対、将来は大豆が世界の人たちの食べ物の主流になっていくし、いかないとあかんねや、という危機感です。

それこそ歴史観ですね。

清水:で、実は、さらにオチがありまして、今私が自分で思いついたかのようにYさんにご説明した考えは、もともとは我々、不二製油の実質的な創設者である西村政太郎という人がいて、三方よしの売り手よし、買い手よし、世間よし、を心得とした近江商人の末裔の、滋賀で生まれた人ですわ。その方が、いまの話を現実にするべく、「大豆蛋白事業」を始められたわけです。そこがほんとの原点です。

そういえば社史で読みました。さらに遡ると、最初は大豆を主要商品である油脂の原料として考えていて……。