
パソコンのデータ、そしてテレビ録画の保存に、大容量のハードディスク(以下HDD)は欠かせない。それゆえ、壊れたときのダメージも大きくなる一方だ。
昨年の10月、手持ちの外付けHDDが壊れ、修理に出したところ「ぼったくり」的な対応にあったお話と、その裏事情を、業界の方にお聞きして記事にした。(「HDDの復旧、どうしてこんなに高いの?」「HDD修理、ここにダマされるな!」)
勉強不足へのご叱正からさらなる裏事情のご説明まで、多くの反響をいただいたのだが、その中に意外なものがあった。某大手周辺機器メーカーの部長さんが、「お話を聞きたい」とわざわざ弊社を尋ねてきたのだ。「この状況をなんとかしないといけない、と思いまして」とのことで、ならばと色々情報交換をさせていただいた。
このとき、部長さんは「具体的なお話ができるようになりましたら、真っ先にご説明します」と約束して下さったのだが、今回、それが実現した。前回の記事と合わせてお読み頂ければ幸いです。
斉木邦明・バッファロー社長(以下斉木):よろしくお願いします。
和田学・バッファロー データストレージソリューション事業部長(以下和田):お久しぶりです。やっとお話できます。
よろしくお願いいたします。和田さん、ご無沙汰しておりました。
和田:お待たせしました。この5月1日から、当社でご購入頂いたHDD、ソリッドステートドライブ(SSD)などの、保証期間内かつ軽度の論理障害ならば、ユーザー登録をしていただければ無償でデータ復旧を行うサービスを開始しました。無償期間が終わった後も、障害の程度によって一律固定料金を設定していますので、安心してご利用いただけると思います。
ユーザーの方がいちばん困っているのは、修理金額が、例えば1万円、2万円「から」になっていることです。上限が書いていない。それを見てHDDを預けると、20万、30万といった見積もりが来たりする。HDDを人質に取って不安につけ込むようなやり口は、もちろんバッファローとしてはあってはなりません。「これは論理障害です、何時間後に治ります。金額は3万円です」と、決まった金額を、人が動いた分だけいただこう、と。
これは、今年の5月1日以降の購入者が対象ですか。
和田:いえ、購入されて、ユーザー登録している方は遡って対象になります。今現在登録していただければ、2016年の5月以降に買われた方はこのサービスをお使いになれます。
軽度、中度、重度というのはどういう区分ですか。
和田:Yさんの記事でも触れられていたとおり、HDDのトラブルにはハードウェアは問題が無く、システムにトラブルの原因がある「論理障害」と、ハード側のトラブルである「物理障害」がありまして、それぞれに軽度、中度、重度を設定しています。
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