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タブチ:そして、こういう原稿が上がってきていますね(と、タブレットの画面を見せる)。

うわあ。絵、全然うまいじゃないですか。

:ありがとうございます。

いや、私が褒めても喜ぶところじゃないんですけど。

:いや、普段は絵は全然褒められないのでありがたい。

タブチ:ちなみに、11月15日に「これは参考になりますよ」という技法書を送ったら、翌日に「読みました」とお返事が来ています。

わあ、すごい。

:いや、もちろんマスターはしてないですけど、何となく知識だけは学んだぞというご報告を。

その、何というか、「前のめりさ」というのは泰さんにとっては当たり前のことなんでしょうか、それとも何かそのときはすごいテンションが上がってやったんでしょうか。

:いえ、スピードが、平均が分からなかったので、「言われたことは翌日までには、やっておくのが当たり前だ」と思っていました。

タカハシ:社会人として。

:社会人として。少なくとも、元の会社(=警察)の感覚では、言われたことを朝の決裁であげられないというのは、「ちょっと仕事が遅いね」と評価されるんじゃないかと。

翌朝ですか。

:上司が決裁を始める時点までに、ラインに乗せることが必要だから、やっぱり朝かなと思って。編集部の人が昼から出勤するというのも知らなかったですし(笑)。

タカハシ:ああ。

タブチ:そうですよね。

すごい切り返し。

乳飲み子を抱えて体力は持つのか?

:ペースが全然つかめてなかったころですね。

いや、泰さんのほうが断然正しいですよ、社会人として。でも本当におっしゃる通りで、レスポンスって完成度より100倍大事ですよね。以前お話をお聞きした、ライトノベルの名編集者の方も「リアクションの速さは社会人最大の武器」だと言ってました(こちら)。

タブチ:そうなんですよ。実は、完璧に仕上げるまで編集者にも見せない、という方も多いんです。

:あ、そうなんですか。

警察の場合は、納期だけでなく完成度も求められたりするんですか。

:もちろん完成度は大事ですけれど、書類の体裁が整っていればそんなに素晴らしい報告書じゃなくてもいいので。ともかく時間内にやらないと、送致とかそういう書類は間に合わないので、スピードはやっぱり重視されますかね。

なるほど。しかし、ハコヅメを読むと、外勤で走り回らされている警察官も、書類をどかどか出させられるわけですよね。

:そうですね。

(c)泰三子・講談社

君は今日大変だったから、書類はゆっくりでいいよとはたぶん言ってもらえないわけですよね。

:ないですね。

となるとすごい体力がいりません?

:そうですね。

タブチ:さらっと泰さんは仰っていますけれど、子育てもされているので本当にあのレスポンスは大変ですよ。やっぱり警察官の方は体力が違う、仕事も最後は体力かな、と、真面目に思います。

:いや、本当はいけないことだとは思うんですけど、乳飲み子だったのでもう授乳をしながら打ち合わせをして、授乳をしながらネームを描いてという、全然人に褒められるような感じではないです。

タブチ:実は、いつまでも1ページ(のマンガ)ではないだろう、ストーリー仕立てにしてもいけるんじゃないかと考えたとき、私は当初、泰さんにはネーム原作をお願いして、作画家を立てようと思っていました。話と絵を週刊で連載するのは、あまりに負担が大きいだろうと。

なるほど。