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タブチ:ああ、いや、泰さんは『聖☆おにいさん』(中村 光作)が好きだとおっしゃっていたので、聖☆おにいさんってものすごくネームが多いんですよ。

タカハシ:多いですね。

:ああ、そうなんですね。

タブチ:ギャグマンガなのにすごい分量があそこに詰め込まれていて。でも全部ネームに切れがあるし、ちゃんと一コマの中でボケと突っ込みが完結していて読みやすいので、ご自身が好きなら、このスタイルはありだな、という判断です。

(c)泰三子・講談社

あっ、実は「ちょっと似ているな」と思ったことが。

:すごく参考にさせていただいています。そもそも16ページにしたのも、聖☆おにいさんのページ数を数えてから、あ、16ページなんだと思ったからで。

あ、おにいさんは16ページなんですか。

タブチ:16ページですね。そして、『ハコヅメ』ではボケと突っ込みのところは書体を、「ここは笑いどころですよ」ということで変えているんですけど、聖☆おにいさんと同じ書体を使って(笑)。

おお、なるほど……って、タブチさんはもしかして。

タブチ:はい、聖☆おにいさんも担当させていただいております。

そういうことでしたか。で、泰さんのマンガが最初にモーニングに掲載されたのが。

タブチ:応募されて翌々月ぐらいにはもう載りましたね。

早い。皆さん、そんな感じなんですか。

異様に早く週刊連載にこぎ着けた真の理由

タブチ:いや、皆さんはきっとそんなにすいすいといかないと思います。どうして早かったかというと、とにかく泰さんはお仕事が速いんです。

描くのが速いってことですか?

タブチ:いや、描くだけでなくて、すべての反応がです。お電話で打ち合わせをして「分かりました、これで描いてください」となったとしますよね。新人さんの場合は、打ち合わせをした後、1週間ぐらいで絵コンテが出てくればいいかな、と思っているんですけど、泰さんの場合は、夜に打ち合わせをすると翌朝の6時ぐらいに送られてきちゃうんですよね(笑)。

タカハシ:それは本当に速い。

タブチ:今でもそうなんですが、こんなにどんどんどんどんネームが来ると、もう他の仕事で忙しいとか言っていられない、早く返事をしなくちゃみたいな、もうその日に返事をしないと申し訳ない。

本当ですね。

:お忙しいのにいつもその日か翌日かに必ず返事をくださるので、あ、すごいなと思って。

いや、それはたぶん泰さんのプレッシャーに堪えかねているんだと思います。

タブチ:堪えかねていますね。今は週刊連載ですから、全然時間をむだにできないんですけど、代原(別の連載が落ちた場合に臨時に載せる原稿)の時代から、泰さんには「その日に返事しなきゃ」という感じはありますね、連載開始前から。

:あ、早く返事をくださるんだと思ってすごくありがたかった。

タブチ:めちゃくちゃ進行はいいですね。

素晴らしい。お互いのやる気を感じるには、一番それが効く。ばんばんばんばんとレスポンスのやりとりがあるっていいですよね。

:ああ、確かに。そうですね。

タブチ:本当にもう何かね、泰さんは全然やっぱりもう、気合が違うというか。

おお、分かります、分かります。

タブチ:今、メールの過去の履歴を検索したんですけれど、2016年の10月末に投稿いただいて、編集部内の選考会が11月14日。11月14日に最初のメールをお送りして、電話で打ち合わせをして、その翌日にネームが10ページ出てきて、そしてここで打ち合わせをしてまた5日後にネームが11ページ出てきていて。25日には、これをやりましょう、ペン入れをしましょうといった原稿が完成して上がってきています。

電話から10日で最初の原稿が完成ですか。

タカハシ:これは尋常じゃないと思います。