パソコンを使ったM-02Jのシミュレータ(手前)と実際のパイロット視点を体験するシミュレータ(奥)
パソコンを使ったM-02Jのシミュレータ(手前)と実際のパイロット視点を体験するシミュレータ(奥)
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 カイクイライド…ああ、「風の谷のナウシカ」のトリウマ(名前が「カイ」と「クイ」)に乗れるやつですね。

八谷:メーヴェをモデルにしたM-02Jの開発中にも、フライトシミュレーターを作ったのですが、こちらの体重制限が60kgなので大人の男性のほとんどが乗れない。

最初はやっぱりナウシカだった?!

八谷:そこで、多くの男性のためにも体重100kgの人が乗れるコンテンツを、と思ったんですけど「ただし、貴方はナウシカではなく、ユパさま担当で」と、カイクイライドになりました。

 こちらは、「Hashilus(ハシラス)」という、乗馬スタイルの家庭用トレーニングマシン「ジョーバ」とVRを組み合わせたシミュレーターがありまして、当時それを開発していたチームと一緒につくりました。現在ハシラスはJRAのイベントや、ハウステンボスでの常設展示で大人気なんですが、このハシラスを改造して、乗馬レースではなく「トリウマに乗って、巨大な王蟲に追っかけられる」という作品に仕立てたわけです。この時点では試作品として作っていて「俺も王蟲に追っかけられてみたい」みたいな動機で全員がボランティア、な感じの開発だったんですが、それを作ってみて「VRコンテンツって架空世界に入り込めて本当に面白い」と気づいたんです。

カイクイライド(2016年版)。あなたも王蟲に追われたい?
カイクイライド(2016年版)。あなたも王蟲に追われたい?

 それでも、最初はポストペットと合わせる考えはなかったんですけど、UEI 社長の清水さんが主催した、「VRヘッドセットのHTC Vive(以下Vive )を買ったので自慢する会」というのにおじゃましまして、Viveで初めてハンドコントローラーを使えるデモを見せてもらって、「これはさらにすごい」と感じて。

 例えばVR空間の中にロボット犬がいて、こちらが枝をつかんで投げると取ってきてくれる。それが単純なのにすごく楽しかったんです。もうひとつ感心したのは「ジョブシミュレーター」。オフィスワークからファストフードの店員まで、たくさんのお仕事をバーチャル体験するソフトですね。これが、(データ量が小さい)ローポリゴンで描写されていて、決してリアルではないんだけど「VRって、もしかして、ローポリゴンの方がいいんじゃないか」と気づいた(ジョブシミュレーターのデモ画像はこちら)。

 「触れる」ことと「ローポリゴン」を切り口に、VRをポストペットと合わせるとすごく面白くなるのではと思って、ぜひやりたいなと。

 しかも20周年だし、と。

まずは、13年前の3Dデータを流用

八谷:ポストペットで組んだプロバイダーのソネット(編注:現社名はソニーネットワークコミュニケーションズ)の方と、「20周年、どうしましょうか」という話を昨年からしていたので、「ペットワークス企画でVR版ポストペットを開発したい」と提案しました。しかし、今はVRのコンテンツを作ってもユーザーがすごく限られるので、ソフトの販売単体でペイできるとは考えていません。

 そうですよね。VR環境をパソコンで備えるとなると、いわゆるゴーグルだけで10万はかかります。パソコンもハイエンドクラスで15万くらいはするでしょう。

八谷:…という冷静さもありつつ、一方で自分たちが昔作って、多くのユーザーの方に愛されたポストペットの世界に入ったらどうなるか、これはやってみたい、と。リクープ(投資額の回収)ができなくても、これはやる価値があるし、過去のユーザーの方にぜひ体験してもらいたいと思ったんです。試しに2002年に出た、「ポストペットV3」の3Dデータをベースに試作してみたら、想像以上に面白いんですよ。論より証拠、ちょっとやってみませんか。

 ! ありがとうございます。

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