日本近海を中心に太平洋に広く生息する太平洋クロマグロ。資源量が減少し、保護、管理の強化が国際的に叫ばれるようになった。だが「現行の規制では不十分」と主張、自主禁漁に踏み切らざるを得なくなった。

9月2日、太平洋クロマグロの資源管理を議論する国際会議「中西部太平洋まぐろ類委員会」の小委員会が閉幕しました。近年、クロマグロは以前のように漁獲できなくなっており、資源の減少を肌で感じています。国際的にも資源管理に対する要請が強まっている一方、日本政府がこれまでに実施している資源管理だけでは不十分です。
「自分たちだけでもまず、行動すべきだ」。そういう思いからクロマグロの自主禁漁に踏み切りました。今年は6月1日から7月31日まで実施。昨年から開始し、来年も実施します。禁漁で当然、収入はなくなります。追い詰められた状況での苦渋の決断でした。
漁獲量が15分の1に激減
長崎県壱岐市は日本海の壱岐島に位置します。漁業は沿岸漁業が主体で、もともとイカやブリなどの漁獲が中心ですが、2000年ごろから大型のクロマグロが漁獲できるようになりました。対馬との間にある七里ケ曽根と呼ばれる大陸棚周辺が漁場です。
資源保護のため、網で一度に大量に漁獲してしまうのではなく、一本釣り漁業に特化。そして「壱岐産マグロ」やマグロ漁の中心漁港である勝本の名を取って「勝本一本釣りまぐろ」としてブランド化に努めてきました。そのかいあって東京・築地市場でも高い評価を得られるようになりました。

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