東日本大震災で津波被害を受けたが、補助金を受けて会社の復旧を目指した。事業を拡大しようと新工場の建設にも着手したが、不正疑惑が起こる。宮城県の刑事告訴で信用を失い万事休す。「県に潰された」と憤る。

東日本大震災から5年が過ぎました。ですが、5年を迎えることなく今年2月26日、仙台地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。
復興補助金の不正受給という、あらぬ疑いを宮城県からかけられ、すっかり信用を失いました。話が進んでいた新規融資や取引はすべてストップ。資金繰りが滞り最後は民事再生手続きを申請する以外に、なすすべはありませんでした。本当に無念です。
発注先からの訴訟は不可思議
私たちは補助金の不正受給などしていません。それなのに、宮城県は、「不正受給をした」と言い張りました。明らかにシンコーを狙い撃ちにして潰しにかかったこの動き。私は背後に政治的な大きな力を感じざるを得ません。
宮城県石巻市で水産加工業を営んでおりましたが、工場が津波で被災したため、操業停止に追い込まれました。つらい出来事があった後、従業員や家族とともに必死になって工場の復旧に努めてきました。
復旧への道筋が見えたのは国や県による支援があったからでした。石巻の本社工場を復旧するとともに、津波災害の教訓から内陸部に新工場を作ることを決めました。

建設費は28億円。その一部、魚介エキスを製造する区画の建設、設備費についてグループ補助金を申請して2011年12月に11億325万円の交付決定を受けました(編集部注:グループ補助金は震災で被災した中小企業などのグループに対し、国と県が復旧整備費の最大4分の3を補助する仕組み)。
翌年、宮城県登米市からの誘致を受け、小学校跡地に工場を着工しました。完成すれば売上高40億円、従業員100人規模になる予定でした。
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