eラーニングに頼り過ぎた

 もちろん、米国にも商売の基本となるフリートレード(自由な取引)の概念がありますので、米コールマン社内にも高い法令順守意識があります。ですが、少なくとも日本法人においては例えば社員研修にしてもeラーニングに頼り過ぎ、おざなりになっていたと思います。社員はみなブランドに誇りを持ち情熱を持って仕事をしています。何か組織的な欠陥が生じていたというよりは、日本において40年ビジネスをしている中で、足りない部分がありエラーが生じてしまったと見ています。

 命令を受けた後、再発防止策をまとめ昨年8月に公正取引委員会に提出しました。

 再発防止策の第一は研修です。昨年9月、取引先との商談が始まる展示会の開催を前に法令順守に関する研修をしました。これは単に法律に基づいたルールを説明するだけではなく、ケーススタディーを取り入れたよりコーチングの要素が強いものです。この研修は今後、毎年実施していきます。

 もう一つは外部の弁護士による定期的な監査です。現在、具体的な方法について検討を始めたところです。

 当然、これだけでは十分ではありません。経営トップが現場に常に目を配り全社員に法令順守の考えを浸透させないと意味がありません。ミーティングでは私も口を酸っぱくして社員に話をしています。仕事のやり方は一晩で変えられるものではない。日ごろから地道にコーチングを続けていきます。

 今回のことで取引先、消費者の方々からは多くのお叱りを受けました。同時に励ましの言葉も多く頂きました。多くの方に支えられる形で、この問題が起きてからも売上高を落とすことなく推移しています。信頼を取り戻し、強いブランドを守っていく大きな責任を痛感しています。

(日経ビジネス2017年1月16日号より転載)