小売店に対し値下げを制限

キャンプ用品大手、コールマンの販売店(東京都昭島市)。米国発祥のブランドで日本でも知名度が高く、ファンも多い。オートキャンプなど最近のキャンプブームもあり日本での業績は好調に推移している

 命令を受けてから、私なりにどのようにインタビューにお答えするか考え続けていました。確かにコールマンは多くのアウトドアファンに支持される強いブランドであると思います。前向きなビジネスの話も動き出しています。

 ですが、命令を受けてまだ数カ月しかたっていないこともあり、まずは今回、反省の弁を述べさせていただきたいと思います。

 命令については公正取引委員会から公表されています。その内容はおおまかに以下の通りです。

 2010年以降、実店舗またはインターネットでの販売に関し、小売業者に「販売ルール」に従うようにさせていた行為がありました。まず、製品ごとに当社が決める参考価格からおおむね10%引き以内で下限の価格「提案売価」を決めました。そしてこの提案売価以上の価格で販売するよう小売業者に求めていました。

 キャンプ用品は春から販売シーズンが始まり、夏場にかけて盛り上がります。当社の第3四半期である7~9月にピークを迎えます。その販売サイクルに合わせるため、毎年9月に翌年に投入する新製品の展示会をして、各販売業者や卸業者と商談を始めます。その際も提案売価を提示するなどして販売ルールに従って販売するよう要請していました。

 販売ルールには以下の内容もありました。各販売店が当社製品を割引販売するのは、他社の商品を含めた全ての商品を対象として実施する場合、または、在庫処分に限ること。しかも、当社が指定する日以降に始めることなどです。対象の商品数は約800種類で現在、流通している当社の基本的な製品ほぼ全てになります。

 命令の内容については全面的に認め、昨年7月の取締役会でこうした行為を行わないよう決議し、当社のホームページでお知らせしています(編集部注:独禁法では公正な取引の観点から、販売価格を決めて取引相手に従わせる行為「再販売価格の拘束」を禁じている)。

 なお、この問題については2015年3月17日に公正取引委員会から立ち入り検査を受けました。それ以降は指摘された違法行為はしておりません。私自身は2015年11月、コールマンジャパンの社長に就任しました。それ以前は日本ロレアル、フォッシルジャパンなど別の外資系企業でブランド戦略に携わっていました。ですからコールマンの不正な取引については直接、実態を把握しているわけではありません。

 ただし当然、この問題については就任前から認識はしていましたし、公正取引委員会の調査の最中でもありました。そんな状況でしたが、私はコールマンの社長になる決意をしました。

 私にはコールマンのブランドをもっと強くしたいという思いがありました。また、ロレアルやフォッシルは非常に法令順守意識の高い企業でしたので、そこで働いていた経験も生かせると考えました。コールマンにとっては今回のことを教訓に法令順守の体制を強化するいい機会でもあると考えたのです。