北海道小樽市の観光名所として延べ約1800万人が訪れた石原裕次郎記念館が、今年8月末に閉館する。 日本を代表する俳優・歌手の石原裕次郎氏にまつわる品々を展示してきたが、施設老朽化で運営を断念。 今後は百貨店と組んだ展示会などで、全国のファンに大スターの足跡を伝えていく考えだ。


当記念館がグランドオープンしたのは平成3(1991)年7月ですが、それから26年、本当にたくさんの方々に支えていただきました。多くの方がこの遠い北の地まで、入館料の1500円を払って訪れていただいた。まずは心から、感謝の気持ちを申し上げます。
裕次郎さんにとって、小樽は第2の故郷だったと思います。お父さんの仕事の関係で3歳から9歳までを過ごしました。この港町は裕次郎さんにとって、出生地である神戸、ヨットに出合った逗子と並んで、小樽は海に対する思い出の起源の地だったと思うのです。
開館以来、延べ約1800万人の来場者に恵まれましたが、振り返れば「殿様商売」をさせていただきました。コンセプトはあくまで、裕次郎さんにまつわる「本物」だけを見ていただくということ。さらに、小樽に来なければ見ることができないものだったからです。
当館に展示されている約2万点の展示物は、映画で使われた衣装や、裕次郎さんが実際に使用していた遺品だけです。代表が愛車「メルセデス・ベンツ300SL」。ガルウイングのドアが特徴ですが、これはデビューして間もなく自分のお金で購入したものです。
裕次郎さんは物を大切にする人で、このベンツは亡くなるまで乗っていたんですね。事務所に我々が集まっていると、夕方ぐらいに裕次郎さんが乗ってやってきて、それから酒を酌み交わしながら皆で映画の話を討論していました。カメラマンも、エディターも照明技師も。当館にあるのはそういう思い出にあふれた品々ばかりです。
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