北海道小樽市の観光名所として延べ約1800万人が訪れた石原裕次郎記念館が、今年8月末に閉館する。 日本を代表する俳優・歌手の石原裕次郎氏にまつわる品々を展示してきたが、施設老朽化で運営を断念。 今後は百貨店と組んだ展示会などで、全国のファンに大スターの足跡を伝えていく考えだ。

[石原裕次郎記念館館長]浅野謙治郎氏
1947年生まれ。石原プロモーションに入社後、映像作品の制作などを主に担当。「西部警察」シリーズなどのヒット作の制作に携わる。石原裕次郎記念館のオープン後は石原まき子氏から館長を引き継ぎ、運営に尽力。
石原裕次郎記念館の概要
石原プロモーションが1991年7月、北海道小樽市に開設。日本を代表する俳優・歌手である石原裕次郎氏の足跡をたどり、「黒部の太陽」など出演した映画やドラマで使われた衣装やセット、レコードのほか、自身が愛用した自動車など約2万点を展示する。オープン以来、来館者数は延べ約1800万人。施設の老朽化などを理由に、今年8月末をもって閉館予定。
石原裕次郎氏が愛用した、ガルウイングのドアが特徴のメルセデス・ベンツは展示品の目玉

 当記念館がグランドオープンしたのは平成3(1991)年7月ですが、それから26年、本当にたくさんの方々に支えていただきました。多くの方がこの遠い北の地まで、入館料の1500円を払って訪れていただいた。まずは心から、感謝の気持ちを申し上げます。

 裕次郎さんにとって、小樽は第2の故郷だったと思います。お父さんの仕事の関係で3歳から9歳までを過ごしました。この港町は裕次郎さんにとって、出生地である神戸、ヨットに出合った逗子と並んで、小樽は海に対する思い出の起源の地だったと思うのです。

 開館以来、延べ約1800万人の来場者に恵まれましたが、振り返れば「殿様商売」をさせていただきました。コンセプトはあくまで、裕次郎さんにまつわる「本物」だけを見ていただくということ。さらに、小樽に来なければ見ることができないものだったからです。

 当館に展示されている約2万点の展示物は、映画で使われた衣装や、裕次郎さんが実際に使用していた遺品だけです。代表が愛車「メルセデス・ベンツ300SL」。ガルウイングのドアが特徴ですが、これはデビューして間もなく自分のお金で購入したものです。

 裕次郎さんは物を大切にする人で、このベンツは亡くなるまで乗っていたんですね。事務所に我々が集まっていると、夕方ぐらいに裕次郎さんが乗ってやってきて、それから酒を酌み交わしながら皆で映画の話を討論していました。カメラマンも、エディターも照明技師も。当館にあるのはそういう思い出にあふれた品々ばかりです。