観光業と人材を融通し合う

 このままでは、せっかく育ててきた県内のコールセンター産業が先細りになってしまいます。県では今、何とか状況を打開しようと様々な施策を打ち出し始めています。

 現状の離職率が相当高いのは事実ですが、裏を返せば、コールセンターに従事した経験者は多いということでもあります。だとすれば、産業の魅力を高めれば、まだまだ挽回の余地があるはずです。

 対策の一つは、異業種と人材を融通し合うことです。コールセンター事業は忙しい時とそうでない時の差が激しい。一方、沖縄の観光産業の核であるホテルや飲食事業も繁閑の差が激しい。ちょうどこの異なる業種で人材が行き来できるようにして、雇用や賃金を安定させ、人材を確保するという手があります。この施策については、一部事業者が先行して実施しており、今のところ、うまくいっています。

 コールセンターに新事業を提案しバックアップすることも検討中です。コールセンターには様々な顧客の声が集まります。例えば、そうした顧客の要望を、商品開発やサービスの改善のための情報として、企業に提供するビジネスがあります。一連のデータを大量に集め、県内のビッグデータ解析ができるIT(情報技術)ベンダーと協業すれば、新たな収益源確保につながる可能性は少なくないと考えています。

 一方で、雇用環境を整備することも大切です。年齢や出産・子育てなどライフスタイルやライフステージに応じた雇用形態を作ることに加え、働きながら子育てできる託児所や保育所、学童施設、テレワーキング・サテライトオフィスなど、多くの人が働きやすい環境の充実に努めることも必要です。

 最後はイメージの改善です。今は、労働環境や福利厚生がしっかりしている事業者までも業界全体に対するマイナスイメージの影響を受け、人材確保に苦労しています。必要以上の負のイメージを払拭するために、学生や就職支援担当者を対象に職場見学やインターンシップを積極的に進めるようにしていきたいと思います。

 いずれにせよ、十数年、蓄積してきたインフラや人材のノウハウをこのまま埋もれさせてはいけません。県庁などの各自治体や、コールセンター事業者、ITベンダーなどあらゆる関係者と協力して、現状を打開できる体制を整えていくつもりです。