並行して全部局の職員を対象に、2月に2回、人権の研修会を実施いたしました。3月にはケースワーカーの業務そのものの基本知識を見直す研修会も実施します。

 今回の件は、そもそもの原因に生活保護に対する職員の認識不足があるといわれても仕方ありません。検討会の結果を待つだけではなく、研修を通じて、今後このようなことがないように、しっかり職員で正しい在り方を認識していきたいと考えています。

背景に、厳しい生活保護職員の業務

 ジャンパーやポロシャツの着用に上司や他の一般職員が気づかなかった理由の一つに、他部署に比べ生活支援課の職員の入れ替わりが激しい、という事情もある。ジャンパーを着て生活保護世帯を訪問している職員を見かけても、新しく部署に来た職員はそこにどんな内容が書かれているか気づきにくいのだ。

 そこまで入れ替わりが激しい要因は、職務内容が肉体的、精神的ともに厳しいことにある。「他の部署と違い、着任してもすぐに異動願いが出るのが当たり前」とある職員は打ち明ける。

 小田原市でも他の自治体同様、生活保護を受ける世帯は急増している。例えば2003年度の生活保護世帯数は1114世帯だったが、リーマンショック後に約1.5倍になり、2016年度には倍増の2369世帯になった。

 増員はしているものの、生活保護世帯の急増のためにケースワーカーの人数が足りていない。1人当たりが担当する生活保護世帯数は、小田原市は80世帯を目安にしているが、同市ではここ10年以上約100世帯ほどになっている。

 最近では不正に生活保護を受けようとするケースも増えている。小田原市で発覚した不正受給の件数は2003年度が5件だったのに対し、2015年度は85件に増加した。

 ケースワーカーは重い通常業務に加え、こうした不正受給の調査に時間を費やす必要がある。不正の証拠をつかむために夜中まで調査することもある。申請が認められなかった人に窓口で厳しい言葉を投げかけられることもあり精神的にもキツイという。

 2007年には窓口の職員がカッターナイフで切りつけられる事件が発生。職員がジャンパーを作った直接のきっかけにもなった。そんな事情を知ってか、2300件あった電話の半分は市役所擁護の内容だった。