気づかなかった職員着用

 しかしそうであったとしても、「保護なめんな」「悪」そして背中の「カスであると」といった要素を合わせると、生活保護を受けることが悪いことで、職員がその対象の世帯を批判しようとしたような内容と受け取られても弁解できません。あえてローマ字や英文にしていることからも、やましい部分があったのではと推察されました。

 報道機関からの指摘や市役所による調査の過程で、ジャンパー以外のグッズもあることが分かってきました。あとから何度も新しい事実が発覚すれば、不信が不信を呼んでしまいますから、徹底的に調査しました。

 そこで出てきたのは、ポロシャツやフリース、携帯ストラップ、マグカップ、マウスパッド、Tシャツ、ボールペンといった多種多様なグッズでした。

小田原市の職員が作製したジャンパーやポロシャツ。これらを着用して生活保護世帯を訪問していた

 こうしたジャンパーやポロシャツなどを職員が着ていれば、上司や同僚でおかしいと気づく人もいたのではないかとのご指摘も頂きました。おっしゃる通りなのですが、恥ずかしながら気づきませんでした。

 ジャンパーは外出時に着用するもので、市役所内では着ていませんので分かりませんでした。その結果、ローマ字表記のロゴをじっくり見る機会もありませんでした。ポロシャツなどについては夏場におそろいのポロシャツを着ているなという認識はありましたが、「SHAT」というロゴが袖口にあるぐらいで、ジャンパーのように「HOGO NAMENNA」「悪」といったデザインはありませんでしたので、やはり気づきませんでした。

原因究明は有識者にゆだねる

 ジャンパーを作製したのは、作製当時のチームの士気を高めるためとの調査結果がありました。しかし、なぜ英語にする必要があったのか、なぜ外出する際に着てしまったのか、なぜマグカップやマウスパッドなどほかのグッズまで作ったのかは分かっていません。

 そこで今回、学識経験者や弁護士、元ケースワーカーの方などをメンバーとする「生活保護行政のあり方検討会」を立ち上げ、原因究明や改善方策を取りまとめることになりました。3月末までに取りまとめていただく予定ですので、今はここでの調査結果を待ちたいと思います。