時に時勢に見放され、時に敵襲に遭い、時に身内に裏切られる――。栄華興隆から一転して敗戦に直面したリーダーが、おのれの敗因と向き合って問わず語りする連載「敗軍の将、兵を語る」を、「日経ビジネス」(有料)では原則毎号掲載しています。連載の魅力を知っていただくために、2018年3月の月曜から金曜まで、過去2年間に登場した「敗軍の将」たちの声を無料記事として転載・公開します。

(日経ビジネス2016年7月25日号より転載)

6月に東京都が第一種動物取扱業登録を取り消した。 衛生環境や管理面での不備が度重なる指導でも改善されなかったのが理由という。 人気が高まる「猫カフェ」では全国初の処分となる。

[ねこのて経営者]
成瀬澄恵氏

1972年東京都生まれ。2010年5月に、ねこのてを設立。代表取締役は成瀬氏の母親の松﨑和子氏が務めるが、成瀬氏が実質的な経営者として店舗などを運営。ペットブームに乗り、2012~14年頃はテレビ番組に多数取り上げられるなど人気を集めていた。

SUMMARY

登録取り消し処分の概要

東京都は6月16日、飼育する猫を適切に管理せず繁殖させたとして、動物愛護法に基づき猫カフェ「ねこのて」(東京都墨田区)の第一種動物取扱業登録を取り消した。約30平方メートルに申請の約6倍となる62匹を飼育していたほか、不衛生な環境を放置していたというのが理由だ。ねこのては現在、猫の譲渡先を探すため非営利目的の「シェルター」として運営を続けている。

 今回の行政処分については、もちろん大いに反省しなければならないことも多々あります。一方で、東京都の指導内容や登録取り消しに至るまでの経緯については納得できない部分もあり、私どもとして主張しなければならないこともあると考えています。

 ねこのての会社設立は2010年で、同年の10月には猫カフェとして店をオープンしました。現在では猫をはじめペットが大ブームですが、当店はそのはしりだったと思います。テレビでの紹介や取材も多く、人気の情報番組で取り上げられたこともありました。

 1年半ほど前からは猫カフェに加えて、猫の販売も始めました。ペットショップと違い、膝の上に乗せたり抱っこができたり猫との触れ合いを大事にしながら小売りするサービスは、とても好評だったと思います。

 最初に都から立ち入り検査があったのは2015年12月。その時点では、62匹の猫を飼育しており、申請よりも多かったことは確かです。繁殖に加え、廃業したブリーダーから預かるなど引き取りのサービスも展開していたため増えてしまったのですが、匹数管理をきちんとできていなかった点については反省しています。

 ただ、これまでの発表にあったように、猫の健康状態が悪かった、不衛生だったという認識はありません。検査時に40匹以上が風邪をひいていたという事実はないですし、ふんの処理や、予防ワクチンの接種などもきちんと受けさせていました。