中国からの密輸を懸念

 私たちのスタンスは「適正に管理されていれば、国内取引自体を禁止する必要はない」というものです。象牙1本、1本すべてが国の管理の下、登録されています。象牙を扱う業者は届け出制になっています。密猟、密輸品が出回ることがないよう規制されているのです。

 昨年10月、南アフリカで開かれたワシントン条約締約国会議では各国に象牙の国内市場閉鎖を求める決議を承認して閉会しました。これに先立ち、米国と中国がそれぞれの国内市場の閉鎖を表明しました。背景にはアフリカ外交など政治的な思惑があるのでしょう。

 中国と日本はそれぞれ国内の象牙取引量が多く、常に批判にさらされてきました。中国が閉鎖を決めた一方、日本は継続を表明。山本公一環境相が「(日本は)違法取引、密猟による市場ではない」と発言したこともあり、これ以上、国際的な批判を受けないために、国が管理をさらに強化するのは自明のことです。ただ、管理に「完璧」はありません。法律の周知も十分ではありません。そのため、象牙を無許可で売買したなど、違法取引がどうしても繰り返し起きてしまいます。

 今、一番懸念しているのは、中国から日本へ違法に象牙が持ち込まれることです。中国の国内市場が閉鎖されることで、中国国内にある象牙が日本に密輸されるリスクが高まります。もし、密輸が発覚するような事件が一度でも起これば象牙取引は完全にアウトになるでしょう。

国際的な規制が強まる
●象牙取引を巡る動き