スポーツファンのほか、NTTドコモなどのパートナー、Jリーグの方々からは温かい言葉を頂きました。問題が起きないことが一番よかったのですが、きちんと対応できてよかったと思っています。今回の問題からは、技術的な点だけでなく、トラブルにどのようにして対応していくかなど、非常に多くのことを学べましたから。もちろん同じような問題は二度と体験したくありませんが。
技術的な点についての詳細は割愛しますが、根本的な部分に問題があったわけではありません。中継・制作された映像データを複数のデバイス向けに変換する「エンコーディングプラットフォーム」の設定の仕方に少し不具合が生じてしまいました。これによって、データベースに不具合が生じ、正常に試合のライブ配信や見逃し配信ができなくなりました。今回のような事態は、二度と起こしてはいけないということを教訓として学びました。
退会メールに関しては、対応の仕方に学びがありました。プレスやパートナーは、当社がオープンにこの問題に対応したことを評価してくれました。プレスに対しては記者会見を開き、サービスの利用者に対する補償もきちんと進めました。
対応急ぎすぎは教訓
メール問題は、少し対応を急いでしまったことが原因です。利用者には「無料視聴期間を延長して、1カ月間ダ・ゾーンのサービスを追加で継続してお使いいただけます」というメールを送るつもりでした。しかし、(利用者情報を管理する)データベースを使ってメールを配信する際に、送信先とメッセージの内容が間違ってしまったことで、サービス退会のメールが配信されてしまいました。結果として、継続使用が可能という内容のメールを慌てて送らない方がよかったという事態になってしまいました。
とはいえ、今回の問題をきっかけに、マネジメントスタイルを変えたという事実はありません。ただし、プラットフォームに関しては、(複数の処理を1つにまとめる)プロシージャーをしっかりとさせ、フォーカスを当てないといけないと感じています。例えば(稼働中のシステムで問題が発生して、システムが停止したときに、待機システムに切り替える)フェイルオーバーの再発対策として、ハードウエアとソフトウエアに対する投資を増やすことに決めました。バックアップやリカバリーに関するテクノロジーを堅牢にし、プラットフォームを改善します。
ダ・ゾーンの契約会員数は100万人を超えました。この数は予想していたところに着地したという印象です。堅調に進んでいます。当社のビジネスモデルは、ビッグデータを分析し、調査をした結果に基づいて展開しています。ビッグデータを活用したモデリングなどの分析結果が証明された結果になりました。でも登山に例えると、やっとベースキャンプに到着できたという位置で、登頂するにはまだまだ先は長いです。
当社のようなスポーツ放映サービスは、映画のようなエンターテインメント業界に比べて、放映権を独占的に購入することができます。買ってきたコンテンツを、何百万人というユーザーに独占的に提供することができるわけです。それをお手ごろ価格で、アクセスしやすく、そして通常のテレビよりも見やすい形で提供できれば、スポーツを見たいと思う人は、当社のサービスに加入してくれると思います。
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