マツダスタジアムは座席の種類が約30種類と豊富ですが、さらに増やしていくのですか。

松田:増やすというか、僕は結構シビアに稼働率を見る。稼働率をチェックしていって、稼働率が低いところはどうやって引き上げるかをいつでも考える。ひとつの席の積み重ねが最後に効いてくる。1席の積み重ねの重さがある。

 だから、席があまりに変わったら、そこは過去、稼働率が悪い席だったということだ。レフトのあそこ(外野砂かぶり席)なんか、本当に人が入らんところだったのが、(座席を座り心地のいいものに変更して)今はもういつも一杯になっている。

 それと、毎年球場に来たら、何かが変わっているというふうにしたい。例えば、毎年毎年(球場内に設置した)カバの置物が変わっている。子どもはカバに乗ってからものすごく喜ぶんじゃ。上から飛んだりとか。子どもがカバをあんなに好きとは思わなかった。それでカバが外せん。

 
球場には子ども達に大人気のカバの置物がある
球場には子ども達に大人気のカバの置物がある

 来年は、立ったカバをやってみようかと。最初、顔だけ(水面から)出ている状況だったけど、それじゃ(勝率)5割より浮上せんけぇ、ちょっとずつ上げていったんじゃ。それで足を一歩、陸地に上がったようなカバにしたら優勝した。日本一になるためには、4本足できっちり立ったようなカバにせないけんのうという話を、今、しよる。

最悪の状況を想定しながら悲観的に考えておく

実に細かいところまで気を配られていますね。

松田:これも(球団職員から)ものすごく嫌われるんだけど、電動カートに乗ってコンコース(観客席の間を巡るメインの通路)を、日に3、4回、2周ずつ、ぐるぐる回りながら、ここはいいとかあそこは悪いとか、毎日ずっとやりよる。わしは、しつこいんじゃ(笑)。この前も、通路の案内表示の仕方をもう少し変えようという話をした。

優勝したので一段落、という感覚はないのですか。

松田:それは全然。すぐ次。すぐ次でないと。8月、9月からもう今年は優勝するだろうから、オフは忙しくなるわと。事実忙しいんだけど、来年のベーシックな企画は優勝するまでに前倒ししようと言いよったくらいじゃけぇ。

 ベーシックな企画とは、たとえば、ファンクラブをどういう形で運営するか。今は1万8000人いるのを、もう、3万人にしようと。なんでそれをするかと言ったら、継続率があまりにも高すぎて、お客さんがずっとおるけぇ、そのまま年齢が上がっていくから。それを1回だけ3万人にすることによって新しく1万2000人が入ってきたら、それで違ってくる。

 3万人がいつかは2万人くらいになるだろうけど。そこまでいったら中身が変わってきているだろうから、その方が結果的にはいいからということでやっている。

 いつも楽観的に見ん。絶対見ない。悲観的。だから疲れるんじゃ。

 本当に最悪の状況をいつも想定しながら物事を考えるから、何か起きたときにあんまり慌てることはないだろうけぇ、良かったら安心じゃ。ありがたい。

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