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宮嶋:商品に関わる“深み”、専門性を提供することも豊かさにつながると考えています。祖業として手掛けてきたカメラが典型的です。カメラには多種のアクセサリーがあって、アクセサリーのコーナーはカメラ本体のコーナーの5倍から10倍近くのスペースを必要とします。

 かつては写真フィルムも何十種類も用意して、そこから選んでいただき、現像、プリントもしていただきました。何度も何度もお客様とやり取りさせてもらいながら、フィルターやレンズを買ってもらったり三脚を買ってもらったりしてきたのです。

 そうした専門性は、テレビ、ビデオデッキ、それからオーディオなどでも重要です。徹底的に深さを追求できる商品に関しては、今後もお客様に寄り添ってサービスしていこうとしています。

 お酒についても、これも深みと言いますか幅の広さと言いますか、少量しか生産していないような地酒なども期間限定で扱ったりできますから、そうしたことを全員が常に心掛けています。それが豊かな生活を提案する進化し続けるこだわりの専門店ということになると思います。

大型店+セレクト店舗を今後も開業

今後のことを伺います。中期経営計画でも売り上げ1兆円を目指すとしていますが、どのように実現していこうと考えていますか。

宮嶋:旗艦店になり得る大型の店舗は機会があればぜひ出したいと思っています。中京圏、大阪などでは、チャンスがあれば旗艦店の数を増やしたいですし、その周囲には、ハブ・アンド・スポークでセレクト店舗を出して、オムニチャネルの最先端企業としてやっていければと思います。

 提携戦略においては、空港に店を出すようなこともしていますし、EC大手の楽天とも提携しました。

 楽天との提携では、楽天スーパーポイントカードがビックカメラの店舗でも使えるようになりました。引き続き女性のお客様の開拓は課題になっていますが、楽天スーパーポイントカードは女性の方が非常に多く持っているのです。それで家電を買える、楽天ポイントもたまるならと店舗に来ていただいています。

 あと今、「東京2020オフィシャルショップ」を新宿西口店と赤坂見附駅店、池袋本店で運営しており、これからも増やしていきたいと思っています。外国からのお客様も含め、多くの方に来ていただき、喜んでいただけるのではないかと思います。

 とにかくお客様に店まで足を運んでいただくには、本当にいろいろなことをやっていかなくてはならないのです。これもその一環です。このショップは2020年までですが、その後もインバウンドのお客様は増えていくと思っています。

 オリンピックの東京2020大会がらみで言えば、上野由岐子選手を筆頭に、ビックカメラ創業の地、群馬県高崎市にある「ビックカメラ女子ソフトボール高崎」のメンバーの多くが、ソフトボールチーム日本代表として活躍してくれることを期待しています。

ビックカメラは2015年に日立高崎ソフトボール部を発祥とする社会人チームをルネサスエレクトロニクスから継承し「ビックカメラ女子ソフトボール高崎」(女子ソフトボール部)を創設。ビックカメラ創業の地でチームを通した地域貢献にも励むという宮嶋社長

(構成:片瀬京子、編集:日経BP総研 中堅・中小企業ラボ)

アジア進出、デジタル対応、新規事業
2019年1月から「中堅企業 成長戦略勉強会」を開催

日経BP総研 中堅・中小企業ラボでは、2020年以降も成長を目指したい中堅企業の皆様を対象に、2019年1月から「中堅企業 成長戦略勉強会」を始めます。

中堅企業の経営幹部の皆様に少人数でお集まりいただき、講師と参加者が共に議論できる学びの場をご用意いたします。勉強会のテーマは「アジア進出」「デジタル化&生産性向上」「新規事業創出」の3つです。

「アジア進出」の講師は、マンダム、森永製菓での約30年にわたる海外担当の経験を持つ山下充洋氏が務めます。自ら体験した事例などをふまえ、具体的な海外進出のコツをお話しいただきます。

「デジタル化&生産性向上」の講師は、日経BP総研 クリーンテックラボの三好敏が務めます。電機、半導体などを長く取材し、いち早く「インダストリー4.0」の潮流に着目した三好が、IoT(モノのインターネット)やデジタル化による事業革新について参加者とともに議論を深めていきます。

「新規事業創出」の講師は、書籍『起業の科学 スタートアップサイエンス』の著者で、数々のスタートアップのメンターも務める田所雅之氏にお願いしました。「破壊的イノベーション」を生み出す発想の型を参加者とともに考えていきます。

皆様のご参加をお待ちしております。

中堅企業 成長戦略勉強会の詳細、お申し込みは下記のURLをご参照ください。

https://project.nikkeibp.co.jp/event/chuken/