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宮嶋:女性にとって入りやすい店にするには、ファッションもそうですが、1階にテレビやパソコン、携帯電話を置くのではなく、食品やお酒、薬を置くほうがいいようなので、原宿のほか、秋葉原や東京郊外の調布市でもそのように変えています。

 お酒については、池袋本店で1992年のオープン時から扱っていて、かなり力を入れています。実際、一番売り上げが伸びているカテゴリーなんですよ。

 当店でお酒を買われる方は、決まったものを定期的に購入される方もいれば、多種の銘柄の中から「今回はこれを」と選ばれる方もいます。ですがやはり今でも「お酒もあるんですね」と言われることがあります。

 今、ビックカメラの店舗は40店ありますが、7番目の店舗として池袋本店がオープンしたときは、当社の転機でもありました。このときに、カメラ以外にも幅を広げているんです。もともとは、最初は在庫スペースをそれほど必要とせず、大きくてもビデオデッキ程度で、お持ち帰りいただけるものを扱っていたのです。

 池袋本店では白物家電も扱い始めました。取扱品目を増やせば売り上げも大きくなる時代でした。その頃から、当社グループで展開している「生毛(うもう)工房」ブランドの羽毛布団、またゴルフ用具、お酒などの扱いを始めています。

 ただ、仕入れを担当している商品部のスタッフは、先に情報を得た私から「こういうものがあるぞ」とは絶対に言われたくないでしょうから、今では彼らもかなり意識して売れる新しいものを探していると思います。

 仕入れについてもう少し言えば、以前は、大手メーカーさんとの取引をメインに品ぞろえがある程度決まっていたようなところがありました。ですが今では、展示商談会に足を運んだり、商談に持ち込まれる様々な商品を吟味したりしています。

ビックカメラのオムニチャネルの一翼を担う小規模店、ビックカメラセレクト。写真は2017年オープンの原宿店

店舗では3Sとバックヤードをチェック

宮嶋さんは今も店舗によく足を運ばれるそうですね。

宮嶋:ずっと店舗で働いてきましたから。

 今でも、お客様が商品を試そうとされていたり、販売員を探しているようであったりすると、私が先にお客様に声を掛けることもありますよ。お客様には「制服は着ていませんがビックの者です」とお話しして、販売員にバトンタッチします。

 店舗には、主に売り場で3S(整理・整頓・清掃)が徹底されているか確認しに行っているのですが、商品の展示についても、現場の声を聞きつつ、私の感覚で指摘することもあります。私自身もそうですが、指摘されて初めて気付くこともあります。

 売り場のしつらえは、いろいろな方法があります。私たちの店舗の場合、商品の“ボリューム感”と品ぞろえの豊富さを感じていただきたいと考えて手を入れています。例えば、特定の商品を“ボリューム展開”するコーナーをつくると、そこに自然とお客様の足が向きます。

 店舗に出向くときは、売り場だけでなくバックヤードも見ます。従業員スペースが整然としていない店はいろいろな問題が起こるんです。逆に、バックヤードがしっかりしているところは、売り場も抜かりがありません。