吉田:アパレルブランドとの取引のきっかけは展示会でした。他のメーカーも参加する合同展です。弊社の製品は当時からカラーバリエーションが豊富で、展示会に出展すると目を引きました。豊富なカラーバリエーションはレディース、メンズ、ユニセックスなど多彩なイメージに対応できますし、弊社の製品は値ごろ感もあります。なのでアパレルブランドのお取引先様には、自分たちのブランドとのコーディネートに使いやすいと思ってもらえたようです。現在は、合同展に出る前から続けている自社のショールームでの展示会に、アパレルブランドだけでなく、バッグ専門店等、多様な業態のバイヤーの皆さんに来ていただいています。

2014年に誕生して大ヒットしたanelloのバッグは、SNS(交流サイト)で火がついたそうですね。

吉田:実は私は2013、14年に、インナーブランディング(社内向けブランディング)をしたいと考えていました。社員にもっと会社のことを好きになってほしい、商品に自信を持ってほしいと思い、インナーブランディングについてかなり勉強したんです。ところが私自身なかなか納得できず、少し飛躍するようですが考えを外に向けてPRすることに切り替えたんです。

 弊社の社員はモノづくりが好きです。作ったものをお客様が使っている、雑誌やSNSに取り上げられて話題になっていることに喜びを持つタイプの社員が多い。なので外向けのブランディングができれば、社員がもっと会社を好きになる、商品に自信を持つという願いがかなえられるのではないかと思いました。そこで、それまで一切やっていなかったファッション雑誌への広告出稿を始めました。バッグをPRするのには、モノを買ってもらおうとする広告より、イメージを打ち出す広告を掲載できたのがよかったのかなと思っています。

Facebook やInstagramでも商品情報などを発信されていますが、SNSと紙媒体の広告では、どちらに効果がありそうでしょうか。

吉田:それについては分かりにくい面もあるのですが、爆発的に広がるのはSNSです。でも紙媒体も必要だと思います。私の感覚では、ファッションが好きな人は雑誌も好きです。彼ら彼女らにとっては、同じ商品でも、雑誌に載っているのとSNSに載っているのとでは、雑誌のほうがインパクトが強いと思っています。雑誌は大きくメンズ、レディースに分かれていてファッションスタイルのカテゴリーも幾つもあって、ターゲットも限られますし費用も掛りますが、それでも必要だと思っています。

ホームページやFacebook、Instagramで常に情報発信している。ネット上の情報では、ユーザーからの使い心地などの“クチコミ情報”も重要という

(後編に続く。後編の掲載は12月15日の予定です。構成:片瀬京子、編集:日経トップリーダー)