今後、企業の規模を拡大する予定はありますか。
柴田:私は、二酸化塩素が世界中で必要とされるものとなることを確信しています。その中で、今ある知的財産とノウハウでどれだけシェアを取れるかで会社の規模は変わります。
そこで、オセロゲームではないけれど、どうやって陣地を取っていくか、我々とシンクロしていただける企業さんとどう組んでいくかです。それで伸びしろは変わります。少なくともアジアに関しては、正露丸とクレベリンで一定市場でのナンバーワンを目指していきたいと思います。
世界の空間除菌市場に打って出る
成長していけば今の人数では足りませんが、人を増やして勝負をかけることはしません。結果が出てからそれを回すために人を入れていくということになります。私の目指すところは頭脳集団の会社です。あまり機動力を失わない形であり続けたいです。
今後、海外で二酸化塩素関係の工業会を立ち上げたり、M&A(合併・買収)をしたり、様々な組織と協業していくとなると、そういった経験のある方をどんどん入れて、結果をどんどん出していただくことになります。
変革していくことになるので、それをしんどいと思う方は辞めるでしょうし、まだまだ頑張るという方もいるでしょう。うまく人を入れ替えながら、いい人材にコアな仕事をやっていただく形になってきています。

求めているのは起業家精神のある人材
今、どんな人材を選んでいますか。
柴田:起業家精神のある人を求めています。例えば、二酸化塩素技術で事業会社をつくり、世界でナンバーワンのブランドをつくる。そういう一気通貫なことができる人材です。正露丸の会社に入ったら楽をして給料をもらえると考えるのとは逆の人です。
私が大幸薬品に入ったのは、この会社を、人類を救ううえで私にしかできない仕事ができるチームにしたいと思ったからであり、「正露丸は効く」という大幸薬品のブランドを極めて、必要とされるものを提供し続けたいからです。ですから、安住するわけにはいかないのです。日々、努力して開発した製品やサービスを世界に向けて訴求していきます。
M&Aなどには勝負をかける必要が出てきますが、それができるのは、正露丸というキャッシュを生み出すものがあるからです。だから勝負できます。私も医者ですから、この仕事以外でも食っていける、だから勝負できるのです。
スキーでは、左右の足に5対5で体重をかけていたら、何かに引っかかったときに転びます。必ず、7対3か6対4で、重心はどちらか片一方に置いておくと、いつでも重心を変えられるので、いざというときに転ばずに済みます。乗り換えられると思うから勝負できます。
ですから、守りの人生は私にはありません。できることはやり尽くしますし、納得できないことはしません。
(構成:片瀬京子、編集:日経トップリーダー)
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