クレベリンの戦略を教えてください。

柴田:コア技術は特許で押さえています。ただ、これは放っておくと宝の持ち腐れで、特許が切れたときに困ります。ですので、今のうちに業務提携をして、ブランド価値を高めていきます。

 世の中では、エボラ出血熱やMERS(中東呼吸器症候群)、ジカ熱など、様々な感染症が定期的にやってきます。関連する多くの企業は二酸化塩素というマテリアルに興味を持って調べます。すると、大幸薬品が基礎を押さえていることが分かるので「では、アライアンスをしよう」という話になってきています。

 ただ当初、我々の側が話を持ちかけていたときは「ちょっと信用できません」といった反応が多かった。それは、安全性の根拠などがなかったからです。ですから厚生労働省に規格をつくらせてほしいとお願いし、業界関係者で日本二酸化塩素工業会を設立し、そこで安全性の規格を策定しました。これが大きいです。

空気除菌という新しい市場に挑む「クレベリン」

業界団体による安全性の規格をクリア

クレベリンなど二酸化塩素を利用した空間除菌グッズについては、2014年に消費者庁から、製品紹介や広告が景品表示法に定める優良誤認表示であると指摘されました。

柴田:我々は、二酸化塩素が出ている領域では除菌できるということで、そういった表記をしたのですが、ぽんとそれを置くだけで、窓が開いていたり、人がたくさんいたりする空間でも丸ごと除菌できるというのは言い過ぎだろう、過大であるという評価をいただきました。

 その後、徹底的にデータを取り、すべて消費者庁に提出しました。現時点では、「6畳相当閉鎖空間で~」というただし書きを添えて「99%除去することを確認」と表現できるようになっています。これは、行政指導のおかげでレベルが上がったということです。

 試練をいただいたことで、いったんは売り上げが落ち込みましたが、お客様は理解されて、今はほとんど戻りつつある状況です。また、何の根拠もない製品は消えていくという状況にもなりました。