働き方改革の最初のステップは可視化

ところで世の中では、働き方改革が話題になっています。労務管理を支える事業を展開する御社には引き合いが増えているのではないでしょうか。

津田:そうですね。おかげさまでお話を頂くケースが増えています。働き方改革とは、単に残業時間を減らすのではなく、一人ひとりの生産性を上げ、働きがいを増やし、ワーク・ライフ・バランスを実現することだと思っています。そのためには、従業員の働き方の現状分析が必要です。時間管理ができていないところでは我々のツールを使っていただきたいですし、時間のデータを取るだけでなく、それをどう生かすかもお手伝いしたいと思っています。

 働き方の現状分析では、どこの部署の残業が多いのかをタイムリーに可視化し、要因を突き止める必要があります。残業が多いのはそこにいる人のスキルが足りていないからだとか、健康状態や家族に不安があって仕事に集中できない人がいるからという理由も考えられます。そこまで含めて、人事的にも見る必要があるのです。こういったつながりは、就業ソフトと人事ソフトを連携させればよりよく分かるようになります。さらに給与ソフトとも連携させれば、評価ともつなげられます。

ニーズを素早くつかみ製品に反映させる

集塵機や清掃ロボットの事業についても、製造業などの働き方改革につながるところもありそうですが、これらのイノベーションはどうなりそうですか。

津田:集塵機は稼働状況、フィルターの状況、ゴミの量をデータで把握できるようになれば、さらに普及が進むと考えています。国内では、目に見えるほこりやちりがある現場は減っていますが、目に見えない、小さなほこりを嫌う現場は多くあります。

 清掃ロボットについては家庭用が普及してきていますし、業界は人手不足で困っていますから、業務用も広がっていくと考えています。集塵機同様、稼働状況が遠方からも分かるようになればますます使い勝手が良くなるでしょう。もっと言いますと、環境変化と言って、業務の現場では机の位置が昨日とは少しずれているようなことがあります。そういう場合でも、きちんと掃除ができるような技術を盛り込もうとしています。ただ、まだコストは高くつきますね。

清掃ロボットは家庭用が普及しつつある。今後は業務用も、より高機能化し、どこでも見られるようになるかもしれない

最後に複数の事業に共通する御社の強みを教えてください。

津田:使っていただいているお客様の数が多いこと、それから、それぞれの商品の開発設計、製造、販売、保守、メンテナンス、それから受託を全てアマノグループで対応できることです。ですから、お客様から新たなニーズが生まれたとき、それをスピーディーに製品に反映させ、新たにお客様が望む形に仕上げられるのです。どの事業でもこれは共通しています。

(この項終わり。構成:片瀬京子、編集:日経トップリーダー