田中:海外の収益不動産を買われる方は、投資家としてのレベルが高い方ばかりという特徴もあります。収益物件を複数購入されます。
当社では、そうしたお客様と絆をつないでおく「Royaltorch(ロイヤルトーチ)」というオーナーズクラブをつくりました。中には亡くなる方もいますが、ご遺族は必ず当社にご相談に来られるので、その場で今後の対策を講じて、必要ならば売却もお手伝いします。このとき、売り先として最初に検討するのは、Royaltorchの会員です。
買い主・売り主・仲介者の信頼性が重要
不動産投資には特殊性があります。不動産物件は、一番高い値を付けた人が買えるわけではありません。しかも、買った不動産が思ったように運用できるわけでもないのです。
今でも不動産を取り巻く情報は“非対称性”があり、優れた物件を買えるのは確かな情報に早くたどり着いた人なのです。これだけネットが発達した世の中でもここは変わりません。
また売る側は、売ったお金をどうするかを考えるわけですが、契約直前で話が壊れた、最終的な契約ができない、といったケースも出てきたりして、売る側も大きなリスクを抱えています。そうである以上、買い主や売り主、仲介者への信頼性の高さが非常に重要なのです。
──情報の非対称性について、もう少しかみ砕いて教えてもらえますか。
田中:同じ新築アパートが2棟あり、片方をA、もう一方をBとします。AとBは所有者が違います。一見、同じに見えますが、管理状態が違います。例えばAは良くてBは良くない。15年後、AとBは同じ価格でしょうか。
AのほうがBより高いはずです。不動産物件は古くなると価格が下がりますが、管理状態の悪いところはさらに下がります。
ここで個人がアパートを買おうとすると、AとBの違いに気付かないことが多いのです。BをAと同等の価格で買ったり、少し安い、しかし実際には割高のBの方を“格安”と勘違いして購入してしまうことがあるのです。不動産物件には、買い手が得られる情報と、売り手側にある情報に格差があることが多いということです。
当社は、適正な価格で購入し、しっかり査定し、設備を直して、これらについて情報開示してから売ります。また、入居者についても反社会的勢力の人がいないかなど、調査します。そこまでやっています。当社は今、そうした中古アパートの物件に「Uシリーズ」というブランド名を付けています。自動車にも認定中古車という仕組みがありますが、当社による認定中古物件です。
Powered by リゾーム?