健康的でおいしい米菓は海外でも評価

中国では、パートナーを通して米菓が広がったようですね。

:当社の先代に対して、おせんべいの製造技術を教えてほしいと願い出てきたのがきっかけになり、旺旺企業集団とはもう40年来の付き合いがあります。現在、当社は旺旺企業集団の株を5%ほど持っていて毎年、しっかり配当をもらっています。

 旺旺企業集団はもともと台湾の企業ですが、台湾で成功した後、1992年に中国本土に乗り込んで、香港で上場しています。工場数は127もあります。今、日本には米菓を手掛ける企業は約350社あって、総生産量が21万トンですが、旺旺企業集団は1社で20万トンを生産しています。しかも、商品はほぼ1種類です。それだけのおせんべいが、中国では売れているのです。旺旺企業集団が当社と付き合うまで、台湾にはおせんべいがありませんでしたし、旺旺企業集団が進出するまで、中国にもやはりおせんべいはありませんでした。

 ちなみに中国人の好みを言えば、日本より甘いおせんべいが今は非常に好まれています。旺旺企業集団が中国で作るおせんべいは、中国東北地方の質の良いお米を使っています。この地域のお米はもともと満州国が持ち込んだ日本の種です。高品質の現地のお米を現地で精米して、すぐ現地で使えば、おいしいおせんべいができます。

 お米は、精米して時間がたつと風味が飛んでしまいます。なので、弊社が国内で作っているおせんべいの原料は、全て国産の加工米です。以前、冷夏で米不足の時に業界全体で海外産のお米を使った時期もあったのですが、売り上げの数字は落ちました。国産米を使うと、やはり風味が圧倒的に違うのです。もちろん消費も伸びます。

岩塚製菓では、良質の国産米を加工、米菓に仕上げている。40年前に台湾の旺旺企業集団がこの生産技術に目を見張り、岩塚製菓と提携後、中国に米菓市場を創り出した
岩塚製菓では、良質の国産米を加工、米菓に仕上げている。40年前に台湾の旺旺企業集団がこの生産技術に目を見張り、岩塚製菓と提携後、中国に米菓市場を創り出した

 今、私は米菓工業組合の仕事もしているのですが、今、多くの農家さんにおいしい加工米を生産していただいています。米菓というのは日本にしかない伝統的な食文化です。国も日本食を普及させていくことを打ち出しています。おいしい米菓を輸出していくためにも、おいしい良質な加工米を作り続けてほしいのです。

(構成:片瀬京子、編集:日経トップリーダー

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