1袋売れれば1円を南相馬に寄付
東日本大震災に際しては、福島県南相馬市との交流を深めました。
槇:南相馬の方々が、長岡に避難してきていたのです。当時はそんな縁があり、特に私が指示したわけでもないのに、社員が自主的におせんべいを届けたりしていたんです。大したもんです。これが高じて、その後、南相馬市の全ての小学校を回って、おせんべいを揚げる実演をするといった活動もしました。

槇:2012年には、もっと何かできないかということで、12年6月に「作るぞ!元気なおせんべい授業」という南相馬市立大甕小学校と太田小学校の6年生と、新しいおせんべいを作るプロジェクトを興しました。そうしてできたのが「バタしょっと」です。この商品は毎年、期間限定で発売しているのですが、16年にはこのバタしょっとと、ふわっとのやわらかえび味については、この年の2月8日から3月末まで、売れた1袋につき、1円を「南相馬市みらい夢義援金」としてお届けしました。同じ取り組みは17年にも実施しています。
今後は社員に対して、どのようなイノベーションを期待しますか。
槇:1つは健康軸でしょう。この春に出した 「もち麦とごませんべい」、それから海外、特に欧米をにらんだグルテンフリーの「RICE STYLE」シリーズも好調です。グルテンフリーというのは小麦を使っていないということですが、海外では小麦アレルギーで困っている方が多いので、米国ではグルテンフリーでないと売れないような状況です。
海外での米菓に対する評価はいかがでしょうか。
槇:まずアジアでは売れることは証明済みです。また、米国でも30年くらい前は見向きもされませんでしたが、日本食文化が浸透し、健康にいいというイメージがあるので、受けていると思います。米国では、日本から行って取り組んでいる人を除くと、米菓を作っている企業はないですし、文化もありません。タピオカのようなデンプンを揚げたものはあるのですが、米菓はありません。
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