このように働き方が変わってくると、思いがけず、副産物が生まれてきました。その1つが、リモートによる業務の実践です。

八丈島から佐賀県の仕事を遂行

 佐賀県庁でアナリティクスアドバイザーのプロジェクトがあり、それを当社の福島イノベーションセンターで担当していました。このセンターでマネジャーをやっていた女性が家族の関係で八丈島に引っ越すことになったのです。

 これまでなら、フェース・トゥ・フェースが絶対と、退職せざるを得なかったでしょうが、八丈島での在宅勤務にチャレンジしたのです。彼女はリモートで仕事を進め、アメリカのスタッフとも連携しながら見事にやり遂げました。これには私も驚きました。

 「Project PRIDE」を始めて3年、どんな成果が出ているかざっとご説明しましょう。まず、1人当たりの1日平均の残業時間が3、4時間から1時間に減りました。離職率は実施前の約半分に。有給取得率は70%から85%に増え、さらに100%まで引き上げたいと思っています。

 最も顕著な効果が女性社員の比率向上です。たった3年で22.7%から34.3%に増えました。新卒と第二新卒の女性採用比率で見ると、45.2%と、2人に1人が女性になったのです。ワークライフバランスの悪い企業のため女性に不人気だったアクセンチュアがここまで改善したのは驚きでした。

 面白かったのは、働き方改革を進めて半年ほどたったとき、女性社員がSNSで「心地よく働けるようになった」とつぶやき、それを後輩が見て、翌年から女性の応募が増えたことです。女性は情報に敏感ですね。

 最後に働き方改革について3つのことをお伝えしたいと思います。

 まず第1に、正しい働き方改革を実現すれば、生産性は上がること。

 第2に次世代に負の遺産を残さないために、1歩踏み出す勇気が必要なこと。失敗したら社長の責任が問われ、社長前任者など先輩達もうるさいでしょうが、勇気を持ってやるしかありません。

 第3に、改革に近道なしということ。いったん始めたら、決して引き下がることなく、やり続け、企業文化に昇華するまで続ける必要があります。

(構成/吉村克己)

この記事はシリーズ「トップリーダーかく語りき」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。