経営のバトンタッチがうまくいく場合といかない場合がありますね。

牛尾:バトンタッチというよりも、一緒に経営をやりながら、巣立つやつから離していく。海外などは、向き不向きがあってね。出してすぐに成功するやつは成功する。営業は年齢に関係なく、それぞれの取引先との相性の問題ですね。技術が一番難しい。

どんな基準で人を選んでこられましたか。

牛尾:性格よりも、結果が良ければ。ひらめきもありますよ、それは。ランプ工場などは2000人ぐらいおりますからね。そういうところの経営はやはり組織型の人材をトップに置き、ややとんがった、未来にチャレンジするような人材をその下に置く。先端的な事業をやる場合は、それが分かる人をトップに置かないとダメでしょうね。

 人事配置は非常に大事ですね。米国のグーグルはトップが5年ごとに5人代わるわけですが、ああいうことは日本ではできない。外部から人を引っ張ってきたとしても、80%は内部から引き上げていく。成功した人が偉くなることはみんな納得するから、実績さえ上げていれば、年齢にはこだわらなくてもいい。

 このごろは女性の方がやる気もあるし、部長になりたいというのが多くてね。時代が変わってきたね。今、うちのジュニアボードは30歳から35、36歳くらいまでのが20人くらいいますが、はっきりモノを言うのは女性だよ。男性は周囲の顔色を見ながら話している。だから、これからどんどんと女性が出てくるんじゃないですか。

女性のリーダーと男性のリーダーでは、何が違いますか。

牛尾:うちは比べるほどまだ女性のリーダーは育っていませんが、女性は思ったことをはっきり言うし、自分が受け入れられるまでは頑張るけれども、自分を殺してまで組織にいるつもりはない。そこが大きな違いだね。最近は優秀な女性がいると、組織の方が変わらなきゃというように変わってきたよね。

世界の中堅企業を目指した

ウシオ電機が成長してきた最大の要因は何だったと思われますか。

牛尾:日本の中堅企業から日本の大企業になるのではなく、世界の中堅企業になろうという方針を決めたことだろうね。専門の技術を中心に生きるんだ、と決めたということなんだけれども。

 光の源を英語では「バルブ」と言います。それにレンズやミラーが付いて、ランプになる。米国の技術はみんな素通しでうちに入ってくるようにしていましたから、海外との提携も非常にうまくいっています。

 例えば、ドイツの技術者とカリフォルニア・アーバインの技術者とうちの横浜と兵庫・姫路の技術者が、毎日のように連絡を取り合いながら研究開発している。ドイツ型とかアングロサクソン型とか、そういう研究様式の違いがある。日本型も2種類ぐらいあるんでしょうけれども、それぞれのスタイルが日常業務を通じて共生できるようになってきましたから、それがウシオ電機成功の秘訣じゃないですか。

 うちは光から派生して、ランプや映写機、サーチライトといろんな商品を扱っています。最近は医療分野にも進出して、アトピーを治療するための紫外線による皮膚治療器まで手がけている。前後には化粧品のマーケットもありますから、それも含めたらこれは非常に大きいですよ。