ジョブ・リターン制度以外はすでに制度はありましたが、ポジティブな人生設計をサポートするために、さらに進化させました。例えば、選択勤務制度では、短時間勤務の事由に、従来の育児・介護のほか妊娠を加え、1日の労働時間も4時間、5時間、6時間から選べるようにしました。有給制度では、従来の1日もしくは半日単位から、1時間単位の取得を可能としました。休職制度では、育児・介護の期間を延長したほか、取得の事由に妊娠・配偶者の転勤・自己啓発が加わりました。ジョブ・リターン制度では、いったん退職した後も、5年以内であれば再雇用の対象となります。

 「きらきらルミネ」プロジェクトは、その後も活動を続けています。育児中社員の意見交換の場、休職を取得した社員との面談、出展者企業の人事担当者との交流会などを設けました。その一環として、2015年5月から「ボイスマルシェ for ビジネス」の利用を開始しています。社員個人が好きな時間を選び、カウンセラーを指名し、仕事と仕事以外について相談を聞いていただいています。

 会社側は誰が利用したかは知り得ませんが、匿名で聞いてみたところ、「専門のカウンセラーに相談することでモヤモヤがスッキリした」という意見が多く寄せられました。また、カウンセラーを増やす取り組みをしており、現在では150人になっています。今後も多くの社員に気軽に利用してほしいと考えています。

「業務」「内省」「精神」の支援が必要

古川氏:バーニャカウダでは、「ボイスマルシェ for ビジネス」に続く法人向けの事業として「リブート・トゥディ」をこの夏から始めようと考えています。このサービスは「今日、受講できる 講師と1対1の対話型研修トレーニング」「その気づきが明日を変える。人生を変えていく」「外部の力もつかって従業員本人の自律的成長を支援し、ダイバーシティ時代の生産性向上をしませんか」をキャッチコピーとし、現場の第一線で活躍する社員の生産性アップのためのツールになります。

 企業から寄せられる相談には大きく2種類あると考えます。1つは、ターゲットや方向性といったビジネス課題そのもの。そしてもう1つが、マインドセット、ビジネス基礎力といった人間の内面的な相談です。前者は最終的には企業が決めなければ解決しませんが、後者はある程度、外部の力でも解決できるといえます。

 例えば、営業先で顧客とうまくいかなかった、心が折れそうだ、となった場合、その悩みを何日も引きずるのは非常にもったいない。そこで、今日の悩みは今日解決しよう、という発想から生まれたのが“リブート(再起動)・トゥディ(今日)”です。

 東京大学の中原淳教授によると、「職場で人が成長するには、業務支援・内省支援・精神支援の3つの支援が必要」と指摘しています。我が社のサービスのうち、精神支援に当たるのが「ボイスマルシェ」とすれば、「リブート・トゥディ」は内省支援に当たります。

 このサービスを始めるに当たり、社員の抱える内面的な悩みを解決する方法を5つほど考えてみました。「企業内での集団研修」「eラーニング」「外部セミナー」「書籍やネット」「上司に相談」です。これを縦軸として、次に4つの条件を横軸に並べてみました。「個人のケースに対応できるか」「講師に直接相談できるか」「講師に専門性はあるか」「今日、受講できるか」です。そうすると、5つの解決法にもそれぞれ向き・不向きがあることが分かりました。

 企業内集団研修、eラーニング、外部セミナーのいずれも講師の専門性は高いものの、集団研修は今日いきなり受講できる類のものではありませんし、eラーニングでは講師に直接の相談ができません。また、外部セミナーだと、個人対応ができません。書籍やネットの場合、今日、実践することはできますが、直接、相談することはできません。