政府と経済界の旗振りにより、2017年2月よりプレミアムフライデーが提唱されました。なかなか定着していないという報道もありますが、私が注目したいのは、オフの時間に誰といるかということ。午後3時に退社しても、会社の人同士で居酒屋に行ったりしていませんか。

 来日した外国人が日本企業で働いてみて非常に驚くのは、日本人は寝ても覚めても、社員同士で一緒にいるということだそうです。上海出身のある日本駐在員はこう言っていました。「私は残業を断ります。それは働きたくないからではありません。私にとって、午後6時以降は外部の人と会う貴重な時間です。たくさんの素晴らしい人と会って、次のキャリアにつなげていきたいのです」。

 まず、この辺りから変えていかなければならないかもしれません。ひょっとして残業が“仲良しこよし”でやっているのだとしたら、大きな問題です。

「CHO」設置の勧め

 大切なのは、働き方改革を経営課題と捉えてきちんと取り組むこと。世間が話題にしているから、周りの会社がやるから、あるいは、男性社員の採用が難しくなってきたから女性を採用するというような、その場しのぎの対応ではなく、経営ビジョンを踏まえたうえで、それに合う社員像や働き方が導かれたものでなくてはなりません。

 私が日本企業の働き方改革で最もやりたいことは、社員幸福度を高めることです。言い換えれば、社員の幸福度が高まれば、個人の業績もアップしますし、企業業績もアップするのです。

 ここで皆さんからよく聞かれるのが「業績が上がっているから、社員も幸せなんでしょう」という意見。しかし、そうではなくて「社員が幸せになれば、業績が上がる」のです。この関係を、なかなか理解できない会社が多いのではないでしょうか。

 海外の企業と比べて、日本企業が圧倒的に足りていないのが、上司と部下のコミュニケーションです。トークやフィードバックが少ないのはもちろん、褒めることはもっと少ない。これでは、社員がハッピーになれるはずがありません。部下と緊密にコミュニケーションを取ることは、個人の性格とか仕事のスタイルとかの範疇ではなくて、マネジャーとしての重要な役割だということから、まず認識するようにしてください。

 人事部が会社において実は非常に重要なセクションであることは先ほど述べましたが、会社の人事部は、採用試験を取り仕切ったり、上から下りてきた異動通知を処理したり、社会保険の届け出をしたりするだけでなく、社員の幸福にも取り組むようにしてほしいと考えます。

 もし、既存の人事部でそこまで手が回らないとしたら、新たなヒューマンリソース部門を作ってみてはいかがでしょう。その先行例が、CHO(チーフ・ハピネス・オフィサー)という役職であり部署です。米国ではCHOを設置している企業も増えているようです。