1995年に創業したリユースショップ大手、トレジャー・ファクトリー。衣料から家具、家電、雑貨まで中古品の取扱品目の幅が広いのが特徴だ。出店地域を全国へと広げ、2016年にはタイのバンコクへも進出。ブランド品のリユース会社を買収したりと、次の一手を積極的に打っている。しかし、今日に至るまでには困難もあった。創業社長の野坂英吾氏に、困難の乗り越え方と、創業時の思いを伝えていく方法について聞いた。

役員たちと手分けをして社員全員と面談をされるなど、社員とのコミュニケーションを重視しているそうですね。

野坂:社員が300人強の頃までは、半期に1度、私が全員と1対1で面接をしていました。しかし、そこが限界でした。500人を超えた現在は、権限を委譲して、エリアマネジャーがそれぞれの地域の社員を全員、面談しています。私自身は、20人ほどのエリアマネジャーとそれ相当の社員と面談をしています。面談は賞与を査定するためのものでもあるので、時間をかけすぎると賞与の支給が遅れてしまいますから。

<b>のさか・えいご</b> 1972年神奈川県生まれ。2歳から10歳まではシンガポールで過ごす。日本大学在学中に、学園祭の実行委員、起業支援組織の立ち上げなど、社長になるための活動に積極的に参加。卒業後の95年10月、開業資金30万円で総合リユースショップ第1号店「トレジャーファクトリー足立本店」を開業した。 その後、服飾専門リユースショップなどさまざまな業態を開発。2007年12月に東証マザーズに上場。14年に東証1部に市場変更。著書に『資金30万円から100億円企業をつくった社長が教える 勝ち続ける会社をつくる 起業の教科書』(日本実業出版社)
のさか・えいご 1972年神奈川県生まれ。2歳から10歳まではシンガポールで過ごす。日本大学在学中に、学園祭の実行委員、起業支援組織の立ち上げなど、社長になるための活動に積極的に参加。卒業後の95年10月、開業資金30万円で総合リユースショップ第1号店「トレジャーファクトリー足立本店」を開業した。 その後、服飾専門リユースショップなどさまざまな業態を開発。2007年12月に東証マザーズに上場。14年に東証1部に市場変更。著書に『資金30万円から100億円企業をつくった社長が教える 勝ち続ける会社をつくる 起業の教科書』(日本実業出版社)

壁を乗り越え、自己成長する経験を積んでほしい

 個人面談は創業の頃から続けてきました。店が3店舗になったときにも、朝礼と終礼は1つの店に全員が集まっていました。規模が大きくなってそれはできなくなりましたが、半期に1度の面談の機会は持って、多くの社員に対して、こちらの思っていることを伝え、社員が考えていることにもできるだけ耳を傾けて取り入れていきたいと思っています。

 社員の声を聞くという意味では、イントラネット上の目安箱で新規企画や業務改善のアイデアを提案できる仕組みがあります。優れた提案や、提案が多く採用された人に対する表彰制度もあります。そこまで大きな金額ではありませんが、金一封も出します。

表彰制度で、社員にどういったことを期待していますか。

野坂:私は大学を出てすぐ起業しました。初期には、自分の若さ、至らなさもあってさまざまな壁にぶつかりました。ただ、壁を乗り越えていく過程で自己成長ができたと強く感じています。うちの会社で働く人にはぜひ、そういった経験をしてほしい。自分でアイデアを出し、工夫して新しいやり方を見つけていくことは、仕事の醍醐味だと思います。それを少しでも多くの社員に経験してほしいです。

面談以外にも、野坂社長の考えを社員に伝える機会がありますか。

野坂:「トレジャーカンファレンス」という名称で、年に1度、全社の経営計画発表会を実施しています。そこに店長クラス以上の社員と、入社したての社員に同席してもらっています。店舗営業をしながらなので、なかなか全社員が集まるというわけにはいかないのですが。

 それから月に1度、私が本社の朝礼で、本社の社員に話す内容は、社内向けのブログで全社員に公開しています。

 また店舗にはできるだけ事前予告せず、突如、私が訪問するようにしています。かしこまっていくよりも、普段、お客様が見ているリアルな店舗の姿を見たいですし、その店の温度感のようなものも実感したいからです。