役員たちと手分けをして社員全員と面談をされるなど、社員とのコミュニケーションを重視しているそうですね。
野坂:社員が300人強の頃までは、半期に1度、私が全員と1対1で面接をしていました。しかし、そこが限界でした。500人を超えた現在は、権限を委譲して、エリアマネジャーがそれぞれの地域の社員を全員、面談しています。私自身は、20人ほどのエリアマネジャーとそれ相当の社員と面談をしています。面談は賞与を査定するためのものでもあるので、時間をかけすぎると賞与の支給が遅れてしまいますから。

壁を乗り越え、自己成長する経験を積んでほしい
個人面談は創業の頃から続けてきました。店が3店舗になったときにも、朝礼と終礼は1つの店に全員が集まっていました。規模が大きくなってそれはできなくなりましたが、半期に1度の面談の機会は持って、多くの社員に対して、こちらの思っていることを伝え、社員が考えていることにもできるだけ耳を傾けて取り入れていきたいと思っています。
社員の声を聞くという意味では、イントラネット上の目安箱で新規企画や業務改善のアイデアを提案できる仕組みがあります。優れた提案や、提案が多く採用された人に対する表彰制度もあります。そこまで大きな金額ではありませんが、金一封も出します。
表彰制度で、社員にどういったことを期待していますか。
野坂:私は大学を出てすぐ起業しました。初期には、自分の若さ、至らなさもあってさまざまな壁にぶつかりました。ただ、壁を乗り越えていく過程で自己成長ができたと強く感じています。うちの会社で働く人にはぜひ、そういった経験をしてほしい。自分でアイデアを出し、工夫して新しいやり方を見つけていくことは、仕事の醍醐味だと思います。それを少しでも多くの社員に経験してほしいです。
面談以外にも、野坂社長の考えを社員に伝える機会がありますか。
野坂:「トレジャーカンファレンス」という名称で、年に1度、全社の経営計画発表会を実施しています。そこに店長クラス以上の社員と、入社したての社員に同席してもらっています。店舗営業をしながらなので、なかなか全社員が集まるというわけにはいかないのですが。
それから月に1度、私が本社の朝礼で、本社の社員に話す内容は、社内向けのブログで全社員に公開しています。
また店舗にはできるだけ事前予告せず、突如、私が訪問するようにしています。かしこまっていくよりも、普段、お客様が見ているリアルな店舗の姿を見たいですし、その店の温度感のようなものも実感したいからです。
Powered by リゾーム?