「移り気」と言われる女性を惹きつけ続け、データベースを充実させ続けていくのはなかなか大変だと思いますが、栄枯盛衰激しい中で、「@cosme」が生き残ってきた理由はどこにあるとお考えですか。

吉松:僕たちが常に言っているのは、「@cosme」はメディアじゃない、ということです。だから、ブームはつくらない。メディアになると、必ず、ユーザーに飽きられちゃうんです。僕らはあくまでもプラットフォームであって、ユーザーから見たときに、ここにしかない情報をいかにため続けられるかということだけを主眼に置いてビジネスをしてきました。

目指したのは「メディア」ではなく「プラットフォーム」

 例えば、似たような口コミサイトに「Yahoo! ビューティ」がありますが、そこに流す商品や口コミの情報も、実はアイスタイルが提供しています。「@cosme」をメディアと考えると「Yahoo! ビューティ」と競合してしまいますが、プラットフォームと考えれば共存できる。メーカーにとっても、アイスタイルにさえ情報を提供しておけば、どこにでも配信してくれるわけですから、業務を効率化できる。

 仮に、相手が同じようなことをやろうとしても、キャッチアップしてくるまでには時間がかかります。その間にこちらが成長していれば、負けることはありません。社内ではよく「負けない戦略」と呼んでいますけれど、我々のところにデータがたまる仕組みを維持できれば、結果的に敵はつくられない。

大手から見た場合に、自社でやるよりもアイスタイルと組んだ方が得だと思える状態をいかにつくっていくか、ということでしょうか。

吉松:そうです。ベンチャーの強みは時間をかけられることしかないので、かけた時間がアドバンテージとして残るような戦略は何か、ということは常に考えながらやってきました。(後編に続く)

靴下専門店の全国チェーン「靴下屋」を一代で築いたタビオ創業者、越智直正氏の人生訓。15歳で丁稚奉公を始めてから60年、国産靴下に懸ける尋常ならざる熱情を語り、経営の王道を説く。『靴下バカ一代』は好評販売中です。詳しくはこちらから。