生産規模の拡大についてはどのように考えているのでしょうか。

松岡:現在は中国、ベトナム、ミャンマー、バングラデシュ、インドネシアに工場がありますが、中国以外の国でその規模を拡大させていきたいと思っています。

 生産国によっては、貿易協定などにより輸入国側に関税を支払う義務がなくなるケースもありますから、そういったことも考慮しながら、生産国を分散しながら拡大したいと考えています。

 言葉の問題などはありますが、国によって生産場所としての優劣があるとはあまり感じていません。強いて言えば、2013年にバングラデシュのダッカ郊外にあった他社の縫製工場の入ったビルが崩落するという事故があり、それ以降、工場には様々なライセンスの取得などが求められるようになっています。基準はなかなか厳しいのですが、そういうところにもしっかり対応していきます。

 それよりも、工場ごとアイテムごとに特徴が出てきているので、既存の工場に対してはそれぞれの強みを生かしながら、努力が必要なところについては改善に頑張ってもらいたいと思っています。

縫製だけでなく素材開発にも挑戦

今後のビジネス戦略について教えてください。

松岡:今後は縫製だけにとどまらず、素材から製品までを開発製造していくというビジネスを強くしていきたいと考えています。既にアウトドア用やメディカル用、例えばばんそうこうに使うような高機能素材の開発と販売にも取り組んでいます。こうした事業を拡大していきます。

松岡典之(まつおか・のりゆき)氏
マツオカコーポレーション代表取締役社長。1957年広島県上下町(現府中市)の呉服店(創業家)に生まれ、呉服店が工場へと発展していく様子を見ながら育った。姉妹に挟まれた長男。80年、駒澤大学経済学部卒業後、すぐに家業を継ぐため、松岡繊維工業(現マツオカコーポレーション)に入社、専務取締役営業部長などを経て、2000年から現職。現地法人7社の社長も兼ねる(写真:山本祐之)

 私たちのビジネスは、SPA(製造小売り)などから彼らのブランドでの生産を委託されるOEM(相手先ブランドによる生産)ビジネスです。

 これまでの日本のOEMのスタイルは、アウターならアウター、シャツならシャツに特化しているのが一般的でした。当社はアウターやシャツ、パンツなど、多彩なアイテムの生産ラインを持っています。これを私たちならではの価値として提供し、拡大につなげたいと思っています。

 多様なラインを持っていれば、比較的小さなロットにも、また、大ロットにも対応できます。例えば大手SPAなどからは膨大な量の生産を要請されますので、普通の規模の工場では対応が難しくても、私たちならできます。その一方で、パンツ500本という小ロットのオーダーも受けられます。