是枝周樹社長を含む、若い経営者にアドバイスをお願いします。

是枝:企業の寿命には30年説がありますが、当社は2017年で40周年です。その先も生き延びて100年企業を目指したいと思います。それを実現するには、冒頭にも述べたように、企業理念、そして経営方針が徹底されなくてはなりません。何のために、どんなスタンスでその事業を行うのか、そこがきちんと確立できれば、苦労や障害にも耐えられるはずです。

 ときには環境を変えて、新たに別の事業をしてみようと思うこともあるでしょうが、芯がなければ軸がぶれてしまうし、裏を返せば芯があれば、どんな困難でも突破もできます。

 これは繰り返しになりますが、数字には表れない自社の事業の価値をしっかり確認することです。この視点で自社の価値が上がっているかを確認していくことです。ミロク情報サービスがこれまでやってこられたのは、その2つがあったからです。

 苦しいからと商売替えをしようと思ったこともないし、まだまだスタートだと思っています。その上で、利益の従業員への分配率が日本で一番高い会社にしたい。そこは40年やってまだできていません。心残りです。

これからの経営者はどういったことを意識する必要がありますか。

是枝:ご存じのように高度成長期に創業した経営者たちが高齢化し、企業の廃業率も上がっています。一方で、新しい企業は今では年間12万社ほどしか生まれていない。私は、年間20万社くらい誕生しないと、日本はだめだと思っています。というのも、中小企業が活躍するのは、これからじゃないですか。ICTの世界にしても、ロボットの世界にしてもそうです。

 しかも、ツールも制度も変わり、マーケットは国際化していきます。その変化に対応するために、勉強をしなくてはならないでしょう。中小企業だからグローバル化に関係ないという時代ではないですから、狭い範囲だけを見るのではなく、経営環境について勉強して、ビジネスを広げていってほしいと思います。

経営者は視点を高く設定すべき

 政府にも、もっと中小企業を支援してほしいと思っています。起業したい人には100万円でも1000万円でも無利息無期限でお金を貸してあげるべきだと言っています。

 さらに現役の経営者の方には、いろいろな人と付き合って、環境に対する目配りをして、学んでほしい。もし分からないなら、聞けばいいんです。そういう関心、そして自覚を持ってほしいと思います。

 英国人アナリストのデービッド・アトキンソン氏は、日本にはまだまだ資源が眠っていると指摘しています。私もその通りだと思います。伝統的なところにも、まだまだ新しい商品やサービスが生まれる余地があるのです。そういうところを、政府も地方自治体も刺激してくれたらいいのです。経営者も、そういう意識でもう一度視点を高く設定し、新たなビジネスを掘り起こしていくべきだと思います。

(構成・片瀬京子)

人生が変わる「100のポジティブワード」を紹介

日経トップリーダーは、『人生が変わる100のポジティブワード』を刊行しました。人生で大輪の花を咲かせた起業家の言葉を中心に、100の金言を集めて解説しました。多くの困難を乗り越えてきた起業家たちの言葉は、悩める人をポジティブ思考に変えて、新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。詳しくはこちらまで。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「トップリーダーかく語りき」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。