今後、駐車場ビジネスだけでなく、新たな展開はあるのでしょうか。

金谷:現在、akippaのユーザーは60万人ほどいるのですが、その8割近くが自分のクルマを持っています。ですが、いつでもそのクルマに乗っているわけではないどころか、駐車場に停めたままになっている時間のほうが長いという人が大半でしょう。

 このクルマをシェアできないかと考えています。当社もクルマを提供します。将来、自動運転が本格化するようなことになれば、過疎地で暮らす高齢者もクルマをシェアして、買い物などに出掛けてほしいと思っています。

 シンギュラリティー(技術的特異点。特にAI〈人工知能〉が人間の知能を超えて人間社会に計り知れない変化をもたらす時点)が到来すると、人が外へ出掛けなくても暮らしが完結する可能性はあります。ですが、人がどこかへ出掛け、そこで人と会うことに価値はありますし、これ以上のコミュニケーションはないと思っています。

 「移動」というプラットフォームは今後も有望です。人は、長い歴史の中で多様な「移動の文化」をつくり上げてきました。私たちはその継承に多少でも貢献できれば、と思っています。

シェアで解決できる困りごとはほかにもある

シェアリングエコノミーは今後も拡大していくでしょうか。既存の事業への影響はどうでしょう。

金谷:どんなものでもシェアはできます。インターネットを介して余っているものを有効活用する方法は、私たちのような素人集団でも提供できましたので、これから伸びていくと思います。

 シェアリングエコノミーの従来型ビジネスへの影響ですが、カーシェアリングについて言えば、放っておいたクルマの1台当たりの利用率が高まりますので、クルマの総数は減りそうにも思えます。

 ですが、これまでクルマを使っていなかった人が頻繁に使うようになる可能性も高い。クルマをシェアするオーナーから見れば、クルマが稼いでくれますので、経済的にクルマを買いやすくなるという影響もあるでしょう。新しい形のクルマ市場ができるのではないでしょうか。

 民泊が既存の宿泊業を圧迫するという話も出ていますが、民泊と例えば旅館は異なるサービスですよね。競争はいつでもどこにでもあります。お互いそこはお客様に選ばれるサービスを追求していくしかないと思います。

 私たちの手掛けている移動以外にも、何かをシェアすることで解決できる人々の困りごとはたくさんあるはずです。もし、世の中の困りごとを解決するために、私たちのプラットフォームで貢献できることがあれば、ぜひ一緒にやらせていただければと思っています。私たちは発展途上の会社ですので、可能性があるのなら、ぜひこちらから提携などをお願いしたいところです。

<span class="fontBold">かなや・げんき</span><br /> 1984年生まれ。akippa社長。大阪府立松原高校卒業後4年間、Jリーガーを目指し関西サッカーリーグなどでプレー。引退後、上場企業にて2年間営業を経験し、2009年に24歳で1人暮らしをしていたワンルームの部屋で起業、ギャラクシーエージェンシーを設立。契約されていない月決め駐車場や、マンションの駐車場などを15分単位で貸し借りできる駐車場シェアアプリ「akippa」を14年に開始。15年に社名もakippaに変更。今までに総額16億円以上の資金を調達した。趣味は、読書と「ももクロ」のライブに行くこと。(写真:山本祐之)
かなや・げんき
1984年生まれ。akippa社長。大阪府立松原高校卒業後4年間、Jリーガーを目指し関西サッカーリーグなどでプレー。引退後、上場企業にて2年間営業を経験し、2009年に24歳で1人暮らしをしていたワンルームの部屋で起業、ギャラクシーエージェンシーを設立。契約されていない月決め駐車場や、マンションの駐車場などを15分単位で貸し借りできる駐車場シェアアプリ「akippa」を14年に開始。15年に社名もakippaに変更。今までに総額16億円以上の資金を調達した。趣味は、読書と「ももクロ」のライブに行くこと。(写真:山本祐之)

(この項終わり。構成:片瀬京子、編集:日経BP総研 中堅・中小企業ラボ)

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