話は少し変わりますが、宇佐美さんは学生結婚されて、起業された時点では既にお子さんがいらっしゃった。そのことは、ご自身が事業を続けてこられる上で、どんな影響を与えたと思いますか。

宇佐美:学生結婚した時には当然ですけれど、両親からも友人からも、みんなに反対されました。だけど、やってみたら何とかなりました。これは確かに私の原体験としてあります。

(写真・菊地一郎)
(写真・菊地一郎)

起業経験のない人ほどリスクを過大評価する

 そういう場合、学生結婚をしたことがある人たちがアドバイスをくれるわけじゃない。したことのない人たちが、それは危険だよと、やらない方がいいよと言う。起業もそうですが、経験したことのない人ほどリスクを過大評価しがちです。むしろ、それによって得られるものを過小評価する傾向がある。

 学生結婚したことで、ある意味、私は世間体や常識という枠から外れました。でも、やってみたら何とかなったんです。それと、いろいろな人が助けてくれました。彼女の両親にも、うちの両親にも、また友達にも。勇気を持って一歩踏み出せば、いろいろな人が手を差し伸べてくれるんだな、というのは踏み出してみたから分かったことです。

 学生時代は「35歳まではとにかくいろいろ経験しよう」と思っていました。失敗も含めて、35歳までにどれだけ密度の濃い人生、修羅場を経験できるかで、その後のキャリアも変わってくるはずだ、と。根拠はなかったんですけれど、そう思っていました。

 結果として、それは正しかったと思います。35歳までに経験したことが、今につながっている。だから、これから起業する人たちにアドバイスするとしたら、失敗を失敗と捉えない方がいい、ということかもしれません。失敗には必ず何かの学びがある。最初はうまくいかなくても、それは次のチャレンジへ向かうためのプロセスにすぎないと考えれば、何事も、一歩、踏み出しやすくなるんじゃないかなと思います。

(構成:曲沼美恵)

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