VOYAGE GROUPの前身となる「アクシブドットコム」を立ち上げた当初、事業の柱は懸賞サイトの運営でした。そこから「ECナビ」という価格比較サイトへと移行していきます。これはなぜだったのでしょうか。

宇佐美:事業の柱を転換することは、2003年くらいから考えていました。当時、価格比較サイトと言えば「価格.com」さんの独り勝ち。一方で、我々がやっていた懸賞サイトというのは、当時、その分野ではナンバーワンでしたが、参入障壁が低い分野だったため、すぐに過当競争になり、値下げ競争になる、というのは目に見えていました。

創業から数年で事業の柱を大きく転換

 同じ頃、グーグルが非常に伸びていて、ショッピングに特化した検索エンジンであれば、まだいけるんじゃないかという感触を持ちました。それで、コンテンツ寄りではなく、検索エンジンという切り口で無風状態だった価格比較サイトへ参入していこう、と思い切ってビジネスモデルを切り替えたわけです。

社内はすぐに賛同してくれたんですか。

宇佐美:みんな驚いていました。「社長は突然、何を言い出すんだ!」「血迷ったか!」と(笑)。創業から手がけていた懸賞サイトの運営が非常にうまくいっていましたから、こんなに順調な事業モデルを変えるなんてどうかしているという声は、非常に多かったですね。

 それで、最初は既存事業とは別に、新サービスという形で「ECナビ」を立ち上げたんです。しかし、これは失敗でした。結局、社内がバラバラになってしまった。これではまずいと思い、途中から既存サービスの名称とコンセプトを変えてそこに新サービスを統合する形にしました。その結果、全員が新サービスに関わっていくんだ、という雰囲気をつくることができました。

目線を合わせるため、話し合いを繰り返した

具体的にはどんなことをされたんですか。

宇佐美:事業方針を転換する際、全体会を開いて説明しましたが、全然、質問が出なかったんです。それで、5、6人ずつ個別に呼んで、丁寧に方針を説明し、引っかかっている部分を解消していきました。

 社員との話し合いでは、議論の前提条件を合わせるというところに重点を置きました。具体的には、ネットビジネスのライフサイクルがいかに短いかということ。勃興してすぐに急成長し、成熟し、衰退していく。このサイクルがだいたい3、4年なんです。

 当時はちょうど事業開始から3、4年目に当たり、競合も増えてきていました。「今は営業力が強いから単価を維持できているけれども、これからどうなるかは分からない」「売り上げが落ちるのは半年後か1年後か分からないけれど、落ちる時は一気に落ちる。そのタイミングは近づいてきていると思う」と正直に話をしたら、最後には「社長がそこまで言うならやります」という感じで、まとまっていきました。