杉浦会長はもともと薬剤師ですが、接客はお好きでしたか。

杉浦:好きですね。お客さまに「ありがとう」と喜んでいただくのがすごくうれしかった。よく、料理人の方も「おいしいものを食べて喜んでもらいたい」と言いますよね。それと同じ発想です。

 ですから、事務仕事より、お客さまと話すのが好きです。おしかりを受けることも多いけれど、喜んでいただくのが一番うれしいです。

店ではまず駐車場とトイレを見る

店舗を熱心に回られているそうですね。どんなところをご覧になるのですか。

杉浦:まず駐車場ですね。次にトイレ。整理整頓、清潔さが保たれているかを見ます。それから、店へ入っていったときに、どう声をかけられるか。通常は「いらっしゃいませ」と言われるんだけれど、仕事に追われているときはそれがないことがありますから。

 これは店によりますが、入って右側に待合調剤のコーナーがあることが多いので、そこで薬剤師の働く様子を見ます。次に左側のビューティーアドバイザーのいる化粧品のコーナーを見てから中央のレジへ。そこで人の動き、お客さまに対する対応を、感覚的に見ています。あとは、店長に声をかけて、あまり聞くと嫌がられるからしらっと数字を聞きます。

2016年8月に完成した大府センター(愛知県大府市)。物流を自社運営に切り替え、店舗運営のサポート業務を強化した。本部も入居している

店舗では接客に集中するため、バックヤードは簡素化させている。

杉浦:ですから、私たちのいるところは本部なんていう偉そうなところではなく、店舗を支援し、応援するサポートセンターと言っています。お客さまと接する店舗を支えるための組織です。

物流が可視化されないのは小売業として不十分

最近、物流を自社運営に変えました。

杉浦:メーカーがものを作って、それを小売店が販売するとき、問屋を経由する場合と、しない場合とがあります。ドラッグストアの場合は、問屋経由が多いですね。そして商品が足りなくなると、電話一本で補充してもらう。

 それが当たり前だと思っていると、小売業として十分ではないんです。その商品がどういう物流に乗って店に届いたか、全体が見えてこないからです。でも、ユニクロさんやニトリさんのように、SPA(製造小売業)で成功している企業さんは、自分たちでものを作って、お客さまへ販売するところまで全体の流れが見えています。私たちは薬を作るわけにいきませんが、物流を自社運営化することで、モノの流れをできるだけ見える化しようとしたのです。