創業から5年間は非常に苦労されたようですね。

杉浦:最初の2000日間は無休で、朝7時から夜11時まで店を開けていました。それは借金を返すまでは無休で働くと誓っていたからです。

スギ薬局を中心に、グループで1000店舗以上を展開する

 当時の借金は1000万円です。店の月商は30万~40万円で、普通に考えたら、返せるわけがないんです。それでも返せたのは、我々の人件費がゼロだったから。あとは光熱費だけですから、少しずつ返せるようになって、それで完済してようやく休みを取れるという時期と、2号店を考える時期が、ちょうど重なりました。

無休で借金の返済に邁進した5年間

 大学で学んだのは経営学ではなくて薬学ですから、お金を借りることにとても抵抗がありました。開業のため、やむなく借りましたから、とにかく返すことだけを考えていました。この時期以降、スギ薬局は一度も借金をしていません。

 ですから、うちの財務の仕事は、どの銀行にお金を預けるかくらいになっています(笑)。今、経営の中心には長男(杉浦克典スギ薬局社長)と次男(杉浦伸哉スギ薬局常務)がいますが、彼らに借入金や利息の返済の苦労はありません。

 裏を返せば、借り入れが必要になったときに改めて勉強し直さないといけないということですが、借金を返して以降は、財務に気を取られることなく、事業に没頭できました。

 お金を借りて出店し、会社を大きくするというスタイルでやってきたら、もっと早く成長できたでしょう。でもうちはそういう無理はせず、できる範囲での努力で、年10%くらいの成長をしていきたいと考えているんです。もちろん、最初の5年間の、食うや食わずのトラウマがあるから、そうしてきたという面もあります。